研究課題/領域番号 |
12J04750
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
呉 志鵬 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 画像可視化 / 画像コラージュ / 漫画風画像転換 / 非写実的表現変換 |
研究概要 |
「個人フォトコレクションの分析と可視化」という課題を研究しているが、昨年に画像分析に焦点を置き、「6次元ラベル」に基づく新しい画像アノテーション方法を提出した。その方法は現在流行するソーシャルネットワークを利用し、インターネットにおける画像の視覚的な特徴及びそれに付属するソーシャルインフォメーションへの分析を通じて画像を精確に注釈する。今年度、画像の可視化に注目した研究を行った。具体的には以下の2点に分けられる。 1. インターネットにおける大量の画像向けの可視化 : 制約付きコラージュの即時生成 本研究では、新しい自動的・高速なコラージュ生成を提案した。複雑な画像顕著性分析をしないで済み、ユーザの定義したキャンパスサイズにぴったりおさまるように入力画像のコラージュを生成する。その方法は大量データのリアルタイム動的画像コラージュの生成に適している。極めて高速であり、100枚の画像を処理するには0.5ミリ秒以内で済み、従来の計算法より速度は何オーダーも桁違いに早くなった。その成果は国際会議APASIPA 2013に発表され、フルペーパー論文をすでにIEEE Transaction on Multimediaに投稿した(査読中である)。 2. ユーザー個人向けの画像可視化 : 漫画化等の視覚効果の生成 我々の研究は自然的画像の1. 漫画2. 鉛筆手描き3. アニメーション4. 油絵への高速な変換処理を実現した。漫画を例にしてみれば、1000^*800の入力画像である場合、既存研究では数十秒から数分間までの時間が必要であるのに対して、我々の方法では0.8秒だけで十分であり、百倍にも早くなっていると言える。出力画像の品質から見ても、既存の5つの漫画風画像転換Appと比較しても提案手法の品質が遥かに優れていることを確認した。本研究は国際会議PCM2013とICASSP2014にて発表した。また、関連のdemoを超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF2013)で展示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年主要な仕事が2点ある、1点目は、即時コラージュの生成であり、ユーザの指定した大きさのキャンバスの中に縦横比のバラバラな画像群をぴったりと敷き詰めるというコラージュ生成を極めて高速(1000分の1秒の瞬時)に実現する手法の提案である。これまでに同等の手段は存在せず、多くの人の関心を呼び、論文はIEEE T・MMに論文投稿中である。2点目は、画像の漫画化といった非写実的表現変換を、高品質かつ高速に実行する手法の提案、検証である。この手法に関するものは、国際会議の発表論文として、採択されており、うち一つは、IEEE ICASSPである。
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今後の研究の推進方策 |
「個人フォトコレクションの分析と可視化」という課題には研究される余地が多い。例えば、個人フォトコレクション向けの画像検索システムを作り、ユーザーの日常的な画像ブラウジング、文字入力に基づく検索という要求だけではなく、内容に基づく迅速な検索も実現できる。現在それについて研究を継続している。
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