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2012 年度 実績報告書

20世紀前半イギリスにおいて所得税等企業課税が企業戦略・組織に及ぼした影響

研究課題

研究課題/領域番号 12J04807
研究機関京都大学

研究代表者

井澤 龍  京都大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードイギリス / 両大戦間期 / 第一次世界大戦 / 所得税 / 法人税 / 国際的二重課税 / FDI / 企業形態
研究概要

本研究は、1909年から1939年までを主な対象としてイギリス企業の組織・戦略に所得税等の企業課税がどのような影響を及ぼしたのか探るものである。
平成24年度の研究活動から得られたことは、「イギリス多国籍企業と国際的二重課税問題」を中心に研究を進めるという方針が立ったこと、これについての仮説とそれを裏付けるであろう史料を発見したことである。得られた研究仮説とは、第一次世界大戦時期から特に重いものとなった所得税の賦課を軽減するために、イギリス多国籍企業はその進出戦略や、組織構造を変えたというものであった。進出戦略を変えたことを裏付けるであろう主な史料としては、The Times, Financial Times, The Economistの株主総会議事録掲載欄、House of Commons Parliamentary Papersから取得した政府報告書を得た。これらを用いることで、1916~1920年にイギリス帝国内で行われた所得税の国際的二重課税防止の調整により、同種の調整が行われなかった帝国外諸国への投資・進出に比して帝国内への投資・進出が容易となったことを明らかにすることができた。組織構造の変化を裏付けるであろう主な史料としては、London Metropolitan Archives所蔵のImperial Continental Gas Association社関連資料、Cheshire Record Office所蔵のBrunner, Mond社関連史料を得た。これらにより、両社が二重課税軽減のため外国支店を外国子会社に変更し、外国子会社により大きな権限を与えるなど組織構造を変えたことを明らかにすることができた。
なお、2012年9月15日には、社会経済史学会・近畿部会、経営史学会・関西支部合同部会にて.「20世紀前半イギリスにおいて所得税等税制が企業に及ぼした影響」という題で研究発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、平成24年度は研究の方針決めとそれに従った史料収集が行え、また修士論文を基にした学会報告を行うことができた。

今後の研究の推進方策

今後の推進方策であるが、収集した史料が膨大であることからこれの整理を行いつつ、史料等から得た発見を論文投稿という形で結実していく予定である。イギリス史という性質から史料等の入手のためにイギリスに出張する必要があるがこの渡航費・滞在費が大きなものであり頻繁かつ長期にイギリスに渡れないのが問題点である。対応策は効率的な出張予定を立てること、自弁での出張を行うことである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 20世紀前半イギリスにおいて所得税等税制が企業に及ぼした影響2012

    • 著者名/発表者名
      井澤龍
    • 学会等名
      会経済史学会・近畿部会、経営史学会・関西支部合同部
    • 発表場所
      神戸大学・梅田インテリジェントラポラトリ(大阪府)
    • 年月日
      2012-09-15

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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