| 研究課題/領域番号 |
12J04948
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
木村 啓章 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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| キーワード | 縄文時代 / 土器型式 / 広域化 / 地域分化 / 赤色顔料 |
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| 研究概要 |
本研究では、西日本の縄文時代後晩期の土器の製作・使用の動態を解明し、狩猟採集社会における土器文化を解明することを目的とする。型式学的分析による編年・地域性の再検討、資源利用から見る土器製作の変化を軸として研究を進めている。
本年度はこれまで研究を進めてきた東海地方・近畿地方に加え、北陸地方、瀬戸内地方、九州地方の資料調査をおこない、土器の製作技術に基づき編年・地域性の再検討をおこなった。昨年度に引き続き、近畿地方の当該期資料である一乗寺向畑町遺跡、馬場川遺跡の土器についての整理作業をおこない、その成果について報告した。またこれらを基準に西日本各地の資料を詳細に観察し、時期的な変化、広域的様相、地域的様相について検討した。特に広域的様相がみられる時期とされる後期後葉の土器に焦点を当て、地域ごとにその発現過程について研究を進めた。
さらに土器に付着する顔料に着目し、土器の塗彩という土器生産工程の一部を復元する研究をおこなった。顔料付着土器縄文時代後期後半以降の顔料付着土器の集成を進めるとともに、一乗寺向畑町遺跡の顔料の理化学分析をおこなった。顔料利用の変化について、型式変化や器種との関係性から検討し、文化財科学会等でその成果について報告した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近畿地方・東海地方に加え、北陸、瀬戸内、九州地方と西日本全域にわたって資料調査を進めることができた。また顔料分析や土器編年をもちいて遺跡立地分析をおこない、多角的に研究をすすめることができた。これらの成果の一部については既に報告をおこない、未報告分にいても計画的に研究をすすめている。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、あまりその実体が解明されてない後晩期の無文土器を中心に資料調査をすすめる。無文土器の変遷の理解と、既存の有文土器を用いた編年との関係性を読み解き、その意義について検討する。またこれまで進めてきた資料調査の成果についての報告を順次行っていく。成果をまとめるうえで、土器から読み取る文化についての理論的整備をおこなう。具体的には型式学的方法についての学史の整理と再検討と、文化人類学からみた物質文化論を整理し、あらたな方法論を構築することを今後の研究推進方策とする。
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