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2013 年度 実績報告書

植物細胞における分裂面決定の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J05066
研究機関名古屋大学

研究代表者

幸節 健  名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードフラグモプラスト / 細胞板 / 極性 / 細胞質分裂
研究概要

植物細胞の分裂面決定は、主に微小管からなるPPB(プレプロフェーズバンド)と、フラグモプラストが重要な役割を担っている。PPBは、細胞周期M期前に細胞表層に一過的に形成される。このPPBが形成された揚所が将来の分裂面になると考えられている。また、細胞質分裂装置であるフラグモプラストが適切な場所で形成され、PPBによって規定された位置へ拡大することも厳密に制御される必要がある。当年度は、フラグモプラストに焦点をしぼり研究を行った。フラグモプラストの微小管は、重合、脱重合の起こりやすいプラス端と、より安定なマイナス端という極性を持っており、二つの微小管束はお互いにプラス端側で噛み合っている。このフラグモプラストの微小管に沿って、細胞板小胞が分裂面に運ばれ、細胞板が形成される。このフラグモプラスト微小管の分裂面での噛み合わせの意義を調べるために、微小管束化因子であるMAP65に着目した。ヒメツリガネゴケのゲノムには、5つMAP65がコードされており、そのうち3つのMAP65が原糸体で発現していることを見いだした。これらのMAP65は全てフラグモプラスト微小管の赤道面に局在し、誘導型RNAi系を用いて機能を阻害したところ、フラグモプラスト微小管の形成初期には異常が観察されないが、徐々に極性が失われ、最終的に崩壊した。また、極性が維持されている時期においても細胞板が形成されないことが観察された。これらの結果から、フラグモプラスト微小管の極性の維持に、MAP65による分裂赤道面での微小管の噛み合わせが必要なことが明らかになった。また、細胞板小胞の分裂面の集積および融合には、フラグモプラスト微小管の極性が必要というよりは、むしろ、MAP65によって束ねられた微小管領域が必要であることを示唆している。この研究成果をPlant Cell誌で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分裂面の研究について、分裂面が変わる細胞を回収し、次世代シーケンサーを用いてトランスクリプトーム解析を行なった。分裂面力が変わる細胞においてmRNAが一過的に上昇する遺伝子を多数同定し、それら遺伝子について遺伝子破壊株を作製しており、順調に研究は進んでいる。

今後の研究の推進方策

次世代シーケンサーで同定した遺伝子について、機能を調べるために相同組換えを利用したノックアウト株を作製した。これらの遺伝子破壊株は、野生型と同様の形態を示した。これは、機能が重複した遣伝子が存在することを示唆している。そこで現在、二重変異体、誘導型RNAi株を作製し、解析を継続中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] MICROTUBULE-ASSCIATED PROTEIN 65 is essential for maintenance of phragmoplast bipolarity and formation of the cell plate in Physcomitrella patens.2013

    • 著者名/発表者名
      Kosetsu K., Keijzer, de. J., Janson, ME., Goshima, G.
    • 雑誌名

      The Plant Cell

      巻: 25 ページ: 4479-92

    • DOI

      10.1105/tpc.113.117432

    • 査読あり
  • [学会発表] Critical roles of MAP65 in phragmoplast assembly in Physcomitrella patens2013

    • 著者名/発表者名
      幸節健、五島剛太
    • 学会等名
      第65回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      ウインク愛知(名古屋市中村区)
    • 年月日
      20130619-21

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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