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2012 年度 実績報告書

植物における分裂期キネシンの網羅的同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12J05267
研究機関名古屋大学

研究代表者

三木 智博  名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード細胞分裂 / キネシン / 微小管 / 植物
研究概要

キネシンは、微小管に対してさまざまな力を加えるモータータンパク質であり、細胞分裂期には必須の役割を担う。これまでの構造・機能解析から、14のサブファミリーに分類されている。酵母や動物細胞では、分裂期に働くキネシンの欠損表現型、細胞内局在、分子活性を網羅的に明らかにすることで、細胞分裂装置のメカニクスについて多くの知見が得られている。一方、60を越えるキネシンを有する植物においては網羅的な機能解析は皆無であり、分裂期に働くキネシンについても情報は断片的である。私は、酵母や動物細胞とは見かけが異なる植物の細胞分裂装置の形成機構や動態制御機構を理解するために、ヒメツリガネゴケの全キネシン(78遺伝子)の中から分裂期に働くキネシンを同定することを目指した。相同組換えにより、内在性のキネシン遺伝子のカルボキシル末端に黄色蛍光タンパク質Citrine遺伝子を融合し、分裂期に局在を示すものを共焦点ライブイメージングで探索した。これは、相同組換えによるノックインが容易なヒメツリガネゴケならではのアプローチであり、本来のプロモーター下で発現した内在性のキネシンを可視化することで、局在を正確に捉えることができる。これまでに、動原体、スピンドル微小管、スピンドル極、フラグモプラスト赤道面など、分裂期に局在する43のキネシンを同定した(このうち15以上は新規キネシン)。これは動物培養細胞で同定されていた分裂期キネシン(^~10)よりも多く、また、動物のオーソログとは異なる挙動を示すキネシンも数多く存在した。植物が独自にキネシン遺伝子を増やして分裂装置形成のさまざまな局面に利用していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの分裂期キネシンの網羅的同定により、新規のものも含め40以上ものキネシンが分裂期で働いていることが示唆された。これにより研究の目的である、分裂期キネシンの1)網羅的同定、2)機能解析のうち、1)網羅的同定が完了した。

今後の研究の推進方策

現在までの分裂期キネシンの網羅的同定により、いくつかの新規キネシンが分裂期で働いていることが示唆された。今後、それらの表現型解析や、in viroでの分子活性など、詳細な解析を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] An inducible RNA interference system in Physcomitrella patens reveals a dominant role of augmin in phragmoplast microtubule generation2012

    • 著者名/発表者名
      Yuki Nakaoka
    • 雑誌名

      The Plant Cell

      巻: 24(4) ページ: 1478-1493

    • DOI

      10.1105/tpc.112.098509

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒメツリガネゴケにおける分裂期キネシンの網羅的同定2013

    • 著者名/発表者名
      三木智博
    • 学会等名
      第54回 日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山市)
    • 年月日
      2013-03-21
  • [学会発表] Augmin plays a dominant role in phragmoplast microtubule generation2012

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Miki
    • 学会等名
      Joint Meeting of JSDB 45th & JSCB 64th
    • 発表場所
      神戸国際会議場(神戸市)
    • 年月日
      2012-05-28

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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