研究課題
これまでに、私たちはイネ白葉枯病菌のタイプⅢエフェクターであるXopP (Xoo3222) が、イネの免疫応答を抑制すること、E3ユビキチンリガーゼであるOsPUB44がその標的因子であることを明らかにしている。さらに、OsPUB44発現抑制体およびその培養細胞を用いた解析から、OsPUB44はイネの免疫応答を正に制御することを明らかにしている。XopPは、OsPUB44の酵素活性に重要なU-boxドメインに特異的に結合し、OsPUB44の酵素活性を阻害する。これは、病原菌エフェクターがE3ユビキチンリガーゼの酵素活性に重要なドメインと相互作用し、その活性を調節することを世界で最初に証明したケースである。今年度は、XopPがOsPUB44を認識するために必須のアミノ酸を2個同定した。これらのアミノ酸はU-boxドメイン中に存在しており、数多く存在するPUBファミリーの中でも、OsPUB44にのみ存在していた。このことから、OsPUB44は非常にユニークなU-boxドメインを有していることが明らかになった。これまでに、多数のPUBは免疫応答を負に制御する事が報告されている。もし、XopPが免疫応答を負に制御するPUBの活性を阻害してしまうと、免疫応答を活性化させてしまうことになる。そのため、XopPは免疫応答を正に制御するOsPUB44を特異的に認識し、その活性を制御する事で免疫応答を抑制していることが示唆された (Ishikawa et, al., 2014 Nature Communications 5, 5430)。さらに、酵母3ハイブリッド法により解析を進めた結果、XopPとOsPUB44の結合はE2と拮抗していることが明らかになった。また、OsPUB44を介した免疫応答を解析するために、OsPUB44の相互作用因子の解析を行った。その結果、PBI1とそのホモログのPBI2を同定した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
読売新聞夕刊、日刊工業新聞、奈良新聞、日本農業新聞、商経アドバイスなどの紙面
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Nature Communications
巻: 5 ページ: 5430
10.1038/ncomms6430.
植物細菌病談話会論文集
巻: 26 ページ: 94-101
http://www.kindai.ac.jp/topics/2014/11/post-682.html
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http://www.sankei.com/photo/daily/news/141112/dly1411120025-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/141119/wst1411190029-n1.html