研究課題/領域番号 |
12J05482
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
平田 正吾 千葉大学, 教養学部, 特別研究員(PD)
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キーワード | 知的障害 / 自閉症スペクトラム / パーソナリティ特性 / 障害特性 |
研究概要 |
本研究の目的は、知的障害児や発達障害児におけるパーソナリティの個人差について調べ、その個人差が彼らの行動全般にどのような影響を及ぼしているのか、障害特性との関連も踏まえながら明らかにすることである。 本年度の前半では、昨年度まで実施していた知的障害児・者の運動行為遂行と、よく知られたパーソナリティ特性の一つである衝動型-熟慮型の認知スタイルの関連についての研究を総括し、関連する学会誌や学会での発表を行った。これらの作業を行う過程において、以下のことが明らかとなった。1)学齢期の知的障害児の運動遂行の特徴は、速さと正確性の2側面から見た場合にいくつかの類型に分けられ、各類型の特徴の差異は衝動型-熟慮型の認知スタイルの差異と一致する。一方、2)より年齢の高い知的障害者においては、運動遂行の特徴と認知スタイルの差異がさほど一致しなくなり、こうした知的障害児・者の行動特性の生涯発達的変化を明らかにするためには、対象者の生育暦やライフヒストリーを踏まえた個別事例的解析が必要とされる。現在、この点についての調査を準備中である。 また、本年度の後半より、代表的な発達障害の一つである自閉症スペクトラムを取り上げ、その心理学的諸能力の個人差とパーソナリティ特性や障害特性の関連を明らかにするための調査を開始した。知的障害のない自閉症スペクトラム児約30名を対象として、運動、認知、社会性の個人差の評価を行う一方で、面接法や質問紙法によるパーソナリティ特性や障害特性についての調査を、対象児や対象児の保護者に行った。現在、その結果について解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究目的について、計画通りに研究を遂行することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通りに研究を進め、その成果を公表していく。
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