研究課題/領域番号 |
12J05574
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
横井 香代子 東北大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | レビー小体型認知症 / 幻視 / 錯視 |
研究概要 |
本研究の最終目的は、レビー小体型認知症(DLB)の幻視の発現に関わる神経機構の全容を明らかにすることである。そのために平成25年度は平成24年度に引き続き①神経心理学検査研究および②PET/SPECT、MR1研究を実施した. また③fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた研究も新たに開始した。 神経心理検査研究はDLB患者の幻視・錯視の発現に関与する認知機能障害を明らかにすることを目的としている。平成25年度は平成24年度に実施したDLB患者34名、アルツハイマー病(AD)患者34名、健常高齢者(NC)28名に対する独自の錯視誘発課題および標準化された各種の神経心理学的検査の結果を論文執筆した。研究結果はDLB患者における錯視反応数は幻覚のスコアと相関を示し、われわれの錯視誘発課題がDLBの幻視の症状の代用尺度になる可能性が示唆されたというものである。この結果は国内の学会で発表するとともに、国際誌(Neuropsychologia)に投稿し、受理された。 PET/SPECT、MRI研究では、DLB患者を対象に錯視の誘発と関連する脳領域をPET/SPECTおよびMRIのVBM法で探索し、錯視・幻視に関わる脳機能低下部位を特定することを目的としている。平成25年度は平成24年度に引き続きDLB患者およびAD患者に錯視誘発課題の実施およびSPECTとMRIの撮像を行い、データを増やした。現在はより詳細な解析を行い、論文執筆の準備を行っているところである。fMRI研究では、DLBを対象に研究を開始する予定であったが、錯視誘発課題がfMRIにうまく適合せず、現在は予備実験の段階である。fMRI研究に合う錯視誘発課題の作成を早急に行い、本実験を開始したいと考えている。 今後は引き続き研究を行い、①神経心理学検査研究および②PET/SPECT、MRI研究の結果から得たDLBの幻視・錯視に関わる脳機能障害と③fMRI研究によって得られる脳内活動を明らかにすることにより、DLBの幻視・錯視に関わる神経機構の全容の解明を行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レビー小体型認知症患者、アルツハイマー病患者、健常高齢者を対象に独自の錯視誘発課題および標準化された各種の神経心理学的検査を行った。結果は国内学会および国際誌に発表した。またPETISPECT研究に関してはデータを解析中であり、fMRI研究についても予備実験を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度・平成25年度に神経心理検査研究に関するデータの取得および論文発表は終了した。またPET, SPECT研究に関するデータの取得は終了したところであるため、今後は研究結果を論文にまとめ、国際誌への投稿を行いたいと考えている。またfMRI研究に関しては予備実験を開始したところであり、fMRIに合う錯視誘発課題の作成が新たに必要となっている。その対応策として心理系の研究員と協力して、課題の開発に努めたい。
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