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2014 年度 実績報告書

三角格子マルチフェロイクスにおける電気磁気相関物性

研究課題

研究課題/領域番号 12J05696
研究機関東京大学

研究代表者

車地 崇  東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードマルチフェロイクス / 電気磁気効果 / 反転対称性の破れ / フラストレーション系 / キラル / 極性
研究実績の概要

本年度前半は前年度から引き続き極性磁性体M2Mo3O8の電気磁気応答を研究した。M = Feの系にZnをドープし、磁性相を反強磁性から強磁性へ制御するとともに、巨大な線形ME効果のシグナルを広範囲に制御することに成功した。線形のME効果は古く知られている効果であるにもかかわらず、その微視的起源が十分解明しておらず、応用へ向けたシグナルの巨大化に関して難点が多かったが、本研究結果はこれを克服しうる成果である。
また同研究室の学振特別研究員井手上敏也氏との共同研究で当該物質のフェリ磁性相で従来の20倍の大きさのシグナルの熱ホール効果を観測した。極性をもった結晶構造と異方性の高いスピンとの強い結合がシグナルの増大につながったと考えている。熱ホール現象をスピントロニクスデバイスに応用する際、巨大シグナルであることは不可欠の要素であり、本研究結果の意義は大きい。
本年度後半ではテラヘルツ~遠赤外領域の非自明な磁気励起の探究に取り組んでおり、予備的段階であるがエレクトロマグノンの観測にも成功した。スピンが互いに平行な共線的磁気構造をもつマルチフェロイクスでのエレクトロマグノンの観測はデラフォサイト構造をとるCuFeO2でしか知られていなく、エレクトロマグノン励起を有する物質の種類を広げることに成功した。またエレクトロマグノンを含む電気磁気励起を利用して、新規光学応答の探究にも取り組む準備ができた。つまり非相反的光学応答の一つであるジョーンズ複屈折という固体中ではまだ観測されたことのない現象を観測するうえで重要な進展である。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Magnetoelectric responses from the respective magnetic R and Fe subsystems in the noncentrosymmetric antiferromagnets RFe3(BO3)4 (R = Eu, Gd, and Tb)2014

    • 著者名/発表者名
      T. Kurumaji, K. Ohgushi, and Y. Tokura
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 89 ページ: 195126-1-13

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1103/PhysRevB.89.195126

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 極性を持った磁性体M2Mo3O8における電気磁気応答2014

    • 著者名/発表者名
      車地崇,石渡晋太郎,十倉好紀
    • 学会等名
      日本物理学会2014年秋季大会
    • 発表場所
      中部大学、愛知県
    • 年月日
      2014-09-07 – 2014-09-10

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公開日: 2016-06-01  

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