今後の研究の推進方策 |
E_8型、さらにはより高いindexを持つ部分因子環に対して上述の結果と同様の手法を用いて、線型スケイン理論と状態和不変量の初等的構成をしようと思っている。この際に困難となるのは、線型スケインの定義の複雑さである(indexが高くなるほど、対応する平面代数もより複雑になる)。E_8型に関しての線型スケイン理論はすでにかなりのところまで自分の研究が進んでいるので、これを完成させ、論文として投稿する予定である。 またレンズ空間L(p,q)のE_6型状態和不変量の値に関して、和久井はある種の周期性を部分的に見出している。具体的にはL(p,q)とL(p+12,q)の不変量の値が等しいことをq=1,2,3の計算結果から観測している。そこで私は、E_6型平面代数に関するある種の周期性を示すことで、その系として先述の周期性のqが一般の場合の証明を与えたい。これはレンズ空間L(P,1)に対しては成功しており、和久井の方法よりもより本質的な理解が得られることが期待される。
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