研究課題/領域番号 |
12J05922
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
堀 智久 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)
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キーワード | 出生前診断 / 当事者 / 障害(者) / 人工妊娠中絶 / イギリス / 日本 |
研究概要 |
平成25年度の前半は、昨年度に引き続き、英国の出生前診断の当事者支援団体の資料で現在入手可能なものを探し、できるかぎり入手した。とりわけ、2012年9月以降、「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」の導入が大きな論議となり、2013年4月から各地の医療機関でその実施が開始されたことは、特筆すべき点である。そのため、今年度は、英国のARC (Antenatal Result and Choice)に加えて、DSA (Down's Syndrome Association)など、それ以外のいくつかの当事者団体の資料の収集・解読にも努めてきた。また、2013年6月には、申請者がこれまで継続して関わってきた先天性四肢障害児父母の会との共同で、日本ダウン症協会の理事長を招いての講演、インタビュー調査を実施している。具体的には、「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」をめぐる日本ダウン症協会の取り組みを中心に紹介し、この1年の動向を整理した。また、1990年代の母体血清マーカー検査をめぐる政府見解と対比させて、今日、新たな問題となっている論点を提示した。さらに、出生前診断に関する項目等について、生存学ホームページなどでのデータベースの充実化を図った。とくに平成25年度の後半以降は、学術雑誌および国際会議等での成果報告を行っている。また、昨年度に引き続き、その成果の一部をリーチアウト活動の一環として、先天性四肢障害児父母の会の機関紙で連載の形式で報告してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の遂行にあたって、フィールドの方々をはじめ、多くの方々のご支援をいただくことができたため、当初の計画通り、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
特筆すべき点として、当初の計画では想定していなかった事態として、平成24年9月以降、「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」の導入が大きな論議となり、平成26年4月現在においても、連日のようにマスコミ等で取りあげられている。平成26年4月現在は、いくつかの雑誌でこれに関連する特集が組まれたり、書籍物が出版されるなどしている段階であり、今後はこの新しい動向を見守りつつ、必要に応じて研究計画の一部修正・変更を図りたいと考えている。
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