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2013 年度 実績報告書

新規酸素センサーTRPA1を介したマウス体内への酸素供給制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J06008
研究機関京都大学

研究代表者

香西 大輔  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードTRPA1 / 酸素
研究概要

Transient receptor polential (TRP)と呼ばれるcalcium透過性カチオンチャネル群の一員であるTRPA1は高濃度酸素および低酸素によって活性化される。さらにTRPAIは迷走神経の高酸素および低酸素に対する神経活動の増強に関与している。酸素は好気性生物にとって必須であるが、同時に有害でもあるため、哺乳動物では頸動脈小体や迷走神経などの化学受容器が酸素濃度の変化を感知して呼吸活動を調節することで体内への酸素供給を制御するというシステムが発達してきた。しかし、TRPA1の呼吸活動等のin vivoでの機能は未解明である。Wild-typeマウスとTrpal-knockoutマウスを用いて比較し、TRPA1の酸素センサーとして機能を明らかにすることを試みた。高濃度酸素または低濃度酸素を吸入させた際のマウスの呼吸回数をはじめとする呼吸活動を計測した結果、wild-typeマウスでは酸素濃度変化に対して呼吸活動が変化した一方で、Trpal-knockoutマウスではその変化が抑制された。また、高酸素および低酸素環境下で長期間飼育した際に生じる障害(それぞれ急性肺障害および肺高血圧症)がTrpal-knockoutマウスでは悪化する傾向が見られた。以上の結果から、呼吸活動等を介したマウス体内への酸素供給制御にTRPA1が重要な役割を担っていることがin vivoレベルで示された。また申請者は、TRPA1が酸素濃度変化以外にトランスニトロシル化というNO基の転移反応を起こしうる化合物によって活性化されることを明らかにし、論文をまとめた。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Transnitrosylation directs TRPA1 selectivity in N-nitrosamine activators.2014

    • 著者名/発表者名
      Kozai D, Kabasawa Y, Ebert M, Kiyonaka S ; Finnan, Otani Y, Numata T, Takahashi N, Mori Y, Ohwada T.
    • 雑誌名

      Molecular Pharmacology

      巻: 85 ページ: 175-185

    • DOI

      10.1124/mol.113.088864.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Redox Regulation of Transient Receptor Potential Channels.2014

    • 著者名/発表者名
      Kozai D, Ogawa N, Mori Y.
    • 雑誌名

      Antioxidants & Redox Signaling

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1089/ars.2013.5616.

    • 査読あり
  • [学会発表] 酸素およびトランスニトロシル化を介したTRPA1チャネル選択的な活性化調節2014

    • 著者名/発表者名
      香西大輔、清中茂樹、沼田朋大、高橋重成、大和田智彦、森泰生
    • 学会等名
      第91回日本生理学会大会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      2014-03-16
  • [学会発表] トランスニトロシル化反応を介したTRPA1チャネル選択的な活性化2013

    • 著者名/発表者名
      香西大輔、樺澤洋治、Maximilian Ebert、清中茂樹、Firman、尾谷優子、沼田朋大、高橋重成、森泰生、大和田智彦
    • 学会等名
      第23回日本循環薬理学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2013-12-06

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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