研究概要 |
Dm修復応答に関わるユビキチン化酵素RNF8とRNF168の機能解析 研究の背景: 申請者が所属する研究室では、E2ユビキチン結合酵素UBC13の相同組換えにおける働きを明らかにし、ユビキチン経路がDNA2重鎖切断修復において重要な役割を果たしている事を示した(Zhao GY et al. Mol Cell 2007)。その後、UBC13と結合するE3ユビキチン化酵素としてRNF8とRNF168が報告された。(Mailand N et al .Cell 2007, Huen MS et al, Cell 2007, Doil C et al, Cell 2009, Stewart GS et al. Cell 2009)しかし両者の機能の相互関係は不明な点が多かった。 研究目的: RNF8およびRNF168の2重遺伝子破壊細胞を創り、両者の機能的相互関係を解明する。 閻題点と解決方策: 複数のユビキチン化酵素が互いに相補しあいながら機能する場合、単一遺伝子破壊ではその相補性を解明できない。同様に遺伝子ノックダウン(~90%しか発現抑制できない)でもできない。これらの問題点を克服する為に、多重遺伝子破壊株を作成し表現型解析した。 研究方法、特色: 本研究の特色は、(i)多重変異体を作成する点と、(ii)既に研究室で作製されたユビキチン化酵素欠損株(UBCI3-/-,RAD18-/-など)を対照できる点である。完全機能欠失型の多重変異体を用いる事で、複数のE3ユビキチンリガーゼが互いにどのように相補し合っているのかを解明できる。
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