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2014 年度 実績報告書

バキュロウイルスによる宿主昆虫行動制御メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J06034
研究機関東京大学

研究代表者

國生 龍平  東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードバキュロウイルス / カイコ / BmNPV / arif-1 / 宿主操作
研究実績の概要

病原体の中には、感染により宿主の行動を変化させるものが多く存在するが、病原体による宿主行動操作の分子メカニズムはほとんど解明されていない。バキュロウイルスは主にチョウ目昆虫の幼虫に感染する昆虫ウイルスで、感染幼虫は感染末期に異常な徘徊行動(Enhanced Locomotory Activity: ELA)を起こすことが古くから知られている。本研究は、バキュロウイルスの一種であるBmNPVとその宿主昆虫であるカイコを用いて、ウイルスによる宿主昆虫行動操作メカニズムの全容を明らかにすることを目的としている。
これまでに、BmNPVのarif-1遺伝子を欠損すると全身感染効率が低下し、結果として脳におけるウイルス感染が遅延することでELAが惹起されなくなる可能性が示唆されている。そこで、H26年度はarif-1の詳細な機能解析を行った。GFP融合タンパク質を用いた細胞内局在解析の結果、ARIF-1は細胞膜局在し、C末端側が切断されて細胞質中に放出されることが示唆された。arif-1に関する研究成果の一部は論文化し、Journal of General Virology誌に発表した。またBmNPVの変異株を用いた行動スクリーニングの結果、Bm5遺伝子に導入した変異もELAの惹起に影響することを見出した。更なる詳細な解析の結果、BM5は核内の核膜近傍に局在し、ウイルス粒子の産生や感染後期におけるウイルス遺伝子発現制御に関与することが明らかになった。
本研究ではまた、ELAの実行因子を同定するため、ELA惹起時に脳で発現量が変動する宿主遺伝子を探索した。RNA-seq解析やその後の詳細な発現解析の結果、ELAの最中に発現量が上昇する遺伝子を2個、ELA惹起直前から発現量が低下する遺伝子を9個見出した。しかしながら、各遺伝子を神経細胞特異的に発現させても感染幼虫のELAに影響は見られなかったことから、これらの発現変動遺伝子とELAの因果関係の解明には更なる詳細な解析が必要である。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Bombyx mori nucleopolyhedrovirus ARIF-1 enhances systemic infection in B. mori larvae2015

    • 著者名/発表者名
      Ryuhei Kokusho, Munetaka Kawamoto, Yasue Koyano, Sumio Sugano, Yutaka Suzuki, Toru Shimada, and Susumu Katsuma
    • 雑誌名

      Journal of General Virology

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1099/vir.0.000130

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] BmNPVの徘徊行動関連遺伝子arif-1の機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      國生龍平、川本宗孝、嶋田透、勝間進
    • 学会等名
      第11回昆虫病理研究会シンポジウム
    • 発表場所
      富士Calm、山梨
    • 年月日
      2014-09-18 – 2014-09-20

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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