研究課題/領域番号 |
12J06060
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
芦田 明美 神戸大学, 国際協力研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 教育社会学 / 国際協力 / 基礎教育 / 縦断的データ / 教育達成 / EFA / MDGs / 修学状況 |
研究概要 |
本年度は、研究目的(2)EFA/MDGsの効果の検証を実施した。 まず、先行研究のレビュー・整理に関しては、ホンジュラス教育省刊行文書、EFA/MDGsに関する国際機関刊行文書・バイ・マルチドナーによる報告書、世界およびホンジュラスにおける教育の内部効率に関する先行研究を国内外において収集し、整理した。次に、2014年2月7日~2月25日の日程にて現地簡査(家庭防問調査、学校長へのインタビュー)を実施した。その結果、23人分の児童のデータの収集および3人の学校長との面談を実施することができた。現在、教育政策・戦略分析と現場の状況との照らし合わせの分析において、学校長へのインタビュー結果を反映させる作業を実施している。 これまでに収集したデータの主な分析結果は、次の通りである。 1、子どもたちの在学中の修学パターン年代別比撃やらは、「卒業者の割合は増加し、特にストレート卒業者が増加している」、「学年途中放棄、落第、在籍状況、いずれを見ても1年生の状況は他の学年よりも好ましくない。特に入学初年度1年生の状態が深刻である」、「退学者の割合は減少している。しかしながら、一年未満での退学者の割合は劇的には減少していない」ことの3点が挙げられる。 2、教育開発戦略・政策、教育プロジェクトの内容と子どもたちの修学パターンとの比較からは、「子どもたちの修学状況に影響を与えたと考えられる教育開発戦略は16本確認することができ、それらは主に教育の質に焦点が当てられでいる」、「教育に関する3件のプロジェクトの内容には、学校給食や就学前教育の促進といったものが含まれ、子どもたちの日々の学校へのアクセスに影響し、修学パターンにプラスの効果をもたらしうるものであると考えられる」ことの2点が挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究目的(2)EFA/MDG_8の効果の検証を実施した。分析はおおむね完了し、分析結果をもとに諭文の執筆を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り研究を進めることができているため、計画は変更せず研究を進めていく予定である。しかしながら今後の研究の遂行にあたって、一つ懸念事項が挙げられる。それは調査対象国の治安情勢の悪化である。2013年1月31日付にて、邦人に対して渡航の是非を検討すべきとの指示が外務省によって出され、現在もその勧告は出されたままである。本研究をまとめるにあたってのデータはおおむね収集できているが、分析過程において追加の調査が必要となった場合、その時点でのホンジュラス共和国の治安情勢を勘案した上で今度の現地調査の計画を再考する必要が生じると考えられる。
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