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2012 年度 実績報告書

加齢に伴う毛包幹細胞の変化とそのメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J06403
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

毛利 泰彰  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特別研究員(PD)

キーワード毛包幹細胞 / 色素幹細胞 / 加齢 / 老化 / 皮膚
研究概要

【研究計画1】加齢やゲノム損傷に伴う毛包幹細胞及び微小環境の組織学的解析
⇒加齢に伴い皮膚にどのような組織学的な変化が見られるのか解析した。
・加齢に伴い毛包幹細胞においてゲノム損傷応答が起こっている事を確認した。
・毛包幹細胞がゲノム損傷を受けると、毛包幹細胞は自己複製能を失い、ニッチ内で異所性の分化を示す事を確認した(Klなどの表皮角化細胞の分化マーカーが毛包幹細胞においても認められた)。
・加齢に伴い、最終的に毛包幹細胞が枯渇し、脱毛する事を確認した。
加齢やゲノム損傷に伴う毛包幹細胞の変化の本質を解明すべく、毛包幹細胞やニッチにおける遺伝子の発現変化にも着目し研究を進めた。しかしながら、候補分子からのアプローチだけでは限界があり、また想定外の発現変化を見落す可能性が高いため網羅的な解析を行う事を視野に入れている。そこで、【研究計画II】を現在実施中である。
【研究計画II】加齢やゲノム損傷による毛包幹細胞での遺伝子発現変化の解析
Step1)セルソーターを利用し毛包幹細胞を純化する実験系をセットアップした。
Integrinα6、CD34、Sca1を指標に、マウスの毛包幹細胞をセルソーターにより純化する実験系をセットアップした。
Step2)『若齢マウス(7・8weeks)』と『加齢マウス、あるいはゲノム損傷マウス』から毛包幹細胞をセルソーター(FACSAriaII)により純化し、定量PCRを行う事で毛包幹細胞での遺伝子の発現変化を解析した。実際に『加齢マウス、あるいはゲノム損傷マウス』の毛包幹細胞において、Lhx2などの毛包幹細胞のマーカー遺伝子の発現低下を見出だし、またc-mycやNotch1など、表皮角化細胞の分化に関わる遺伝子の発現変化も見出だした。
Step3)純化した毛包幹細胞を用い、遺伝子の発現変化をマイクロアレイにより網羅的に解析する(準備中)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マウスの毛包幹細胞において、加齢に伴いゲノム損傷応答が蓄積している事を見出だした。そして毛包幹細胞がゲノム損傷を受けると、毛包幹細胞は自己複製能を失い、一方で表皮角化細胞の分化マーカーの発現を示し、最終的には毛包幹細胞の枯渇を伴った脱毛を示す事を見出だした。この様に、加齢に伴う毛包幹細胞システムの破綻、及びそれに伴う脱毛を見出だしたことから、研究がおおむね順調に進展していると判断している。今後は、純化した毛包幹細胞を用いてマイクロアレイ解析を行う事で、加齢やゲノム損傷に応じて、毛包幹細胞が分子レベルでどのような変化を示すのか理解することができると考えている。

今後の研究の推進方策

加齢やゲノム損傷に伴う毛包幹細胞の変化の本質を解明すべく、毛包幹細胞やニッチにおける遺伝子の発現変化にも着目し研究を進める。しかしながら、候補分子からのアプローチだけでは限界があり、また想定外の発現変化を見落とす可能性が高いため網羅的な解析を行う事を視野に入れている。そこで、『若齢マウス(7-8weeks)』と『加齢マウス、あるいはゲノム損傷マウス』から純化した毛包幹細胞を用いてマイクロアレイ解析を行う事で、加齢やゲノム損傷に応じて、毛包幹細胞が分子レベルでどのような変化を示すのか理解する事が出来ると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] LGR4 is required for the cell survival of the peripheral mesenchyme at the embryonic stages of nephrogenesis.2012

    • 著者名/発表者名
      Mohri Y、Oyama K, Sone M, Akamatsu A, Nishimori K
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem.

      巻: 76 ページ: 888-891

    • DOI

      10.1271/bbb.110834

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.tmd.ac.jp/mri/scm/

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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