研究課題/領域番号 |
12J06425
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山澤 大輔 北海道大学, 大学院・理学院, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 銀河形成 / 星間物理 / 星形成 |
研究概要 |
本研究の目的は、ダストの質量だけでなくダストのサイズ分布の時間発展に基づいて、星形成効率と星の初期質量関数を扱い、ダストと銀河形成を整合的に扱ったモデルを構築することである。 本研究の研究方法は、準解析的モデルと3次元シミュレーションを用いる。始めに準解析的モデルを用いて、ダストと銀河の形成と進化の物理的描像を明らかする。次に、準解析的モデルを用いて得られた描像をもとに、高分解能3次元シミュレーションを行い、第一原理的な計算を実行する。平成24年度は、準解析的モデルを用いた研究に集中した。以下でモデルと得られた知見の概要を述べる。 第一に宇宙初期(z>5)における、ダストと銀河形成を整合的に扱った準解析的モデルを構築し、星形成効率とIMFの遷移のDMハローの質量と赤方偏移への依存性を調べた。我々は、星形成効率がハローの質量と共に増加すること、またその理由は、より大きな銀河ではダスト-ガス比が大きいので、効果的に水素分子形成が起こるからであることを定量的に示した。 第二に高赤方偏移(2<z<22)における、ダストと銀河形成を整合的に扱った準解析的モデルを構築し、 Population IIIからPopulation IIへのIMFの遷移を明らかにした。我々は、赤方偏移が7以下の再電離後の宇宙でも、Population IIIの大質量星が形成される可能性があることを定量的に予言した。また、JWSTの探査視野内のPopulation III clusterの個数は十分にあるが、Population III clusterの光度は検出限界とほぼ同程度であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
準解析的モデルと3次元シミュレーションは、相補的な関係にある。準解析的モデルを用いた研究を推進していたため、3次元シミュレーションを実行することができなかった。しかし、準解析的モデルを用いた研究によって、超新星周りのガス密度や銀河内のダストの分布を明らかにする事が重要な課題であることが明らかになった。平成25年度は、これらの点に注目してシミュレーションを実行する。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、3次元シミュレーションを用いたに集中する。6月に米国のジョージア工科大学に1ヶ月滞在し、J. Wiseと共にシミュレーションコードを開発する。これによって、今年度中にシミュレーションの結果を出すことが可能であると期待している。
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