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2012 年度 実績報告書

違和感のない操作が可能な全方向移動パワーアシスト制御システムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J06543
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

上野 祐樹  豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードパワーアシスト制御 / 全方向移動ロボット / キャスタ型駆動輪
研究概要

本年度は,まず,全方向移動ロボットのパワーアシスト制御において違和感のない操作を実現するにあたり問題となっていた,移動機構が原因で車両旋回時に生じる挙動の問題について研究を行った.具体的には,キャスタ型の移動機構を用いた全方向移動ロボットにおいて,旋回時に車輪と路面間の摩擦などにより車体に上下振動が発生し,さらにモータ出力も上昇するということである.これに対し,車輪に生じる摩擦力について解析を行うことで,一般的に用いられている運動学モデルにより導出される車輪角度に問題があることが判明した.また解析の結果から,車輪角度を修正することで摩擦の影響を最小限に抑制可能であることがわかり,新たなモデルを導出した.また実験により,上下振動が発生しなくなることが確認でき,モータ出力も低減できていることが確認された.
次に,「違和感のない操作」について調査を行った.パワーアシスト制御の最適なパラメータは人により異なり,自動調節が可能なシステムが必要となる.そこでパラメータ調節の目標を明確にするめに,数名の被験者にて,事前に制御パラメータを操作しやすいように手動で調節してもらい,操作実験を行った.結果から,加減速時のロボットの軌道がジャーク最小軌道に従う傾向にあることが分かった.人が手をある点から異なる点へ移動させるとき,その軌道はジャーク最小軌道となることが従来研究からわかっている.従来研究は人が腕を動かす動作のみ解析されており,人が歩行した場合については述べられていなかった.今回の結果から,人の歩行が伴う場合にロボットの軌道が加減速時にジャーク最小軌道に沿うことが判明した.以上より,違和感のない操作の評価は,加減速時のロボットの軌道に着目して行えばよいことが分かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は主に,パワーアシスト制御よりも移動機構の問題点に重点を置いて研究を行った.移動機構の問題を優先した理由は,パワーアシスト制御を改善できたとしても,移動機構により車体挙動に乱れが発生すると操作性が悪いと判断されかねないためである.これにより予定に遅れが生じたものの,操作性の評価基準を明確化できたことである程度遅れを取り戻すことができた.

今後の研究の推進方策

これまでの研究で車輪機構の影響による操作性の悪化の問題が改善できたため,今後は,明確化した操作性の評価基準を用いた制御パラメータ自動調節及び学習システムの構築を目指す.研究計画では来年度までに,全方向へ対応可能なシステムの構築を行う予定であったが,まずは最も頻繁に使用する直進方向への操作に対してシステムの構築及び実装を行う.その後,直進時のシステムを横方向や旋回方向へ直接応用可能であるか検討を行い,必要に応じて改善策の検討を行う.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 全方向移動ロボットのための平歯車型差動駆動操舵機構の開発2012

    • 著者名/発表者名
      上野祐樹, 北川秀夫, 柿原清章, 寺嶋一彦
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集C編

      巻: 78-789 ページ: 1872-1885

    • 査読あり
  • [学会発表] 差動駆動操舵機構を用いたパワーアシスト制御型全方向移動台車の開発とモータ出力低減化手法の提案2012

    • 著者名/発表者名
      上野祐樹, 北川秀夫, 柿原清章, 寺嶋一彦
    • 学会等名
      第13回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2012-12-18
  • [学会発表] キャスタ駆動輪を有する全方向移動ロボットにおける旋回時モータ出力上昇の原因解析と低減手法の提案2012

    • 著者名/発表者名
      上野祐樹, 北川秀夫, 柿原清章, 寺嶋一彦
    • 学会等名
      第30回日本ロボット学会学術講演会
    • 発表場所
      北海道札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2012-09-20
  • [学会発表] Control system of omni-directional mobile robot with caster drive mechanism to develop reduction of motor output2012

    • 著者名/発表者名
      Y. Ueno, H. Kitagawa, K. Kakihara, K. Terashima
    • 学会等名
      15th International Conference on Climbing and Walking Robots and the Support Technologies for Mobile Robot
    • 発表場所
      Baltimore, Maryland, USA
    • 年月日
      2012-07-25

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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