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2014 年度 実績報告書

アストロサイトを標的とした抗うつ薬の新規薬理作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J06852
研究機関広島大学

研究代表者

梶谷 直人  広島大学, 医歯薬保健学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード抗うつ薬 / アストロサイト / FGF2 / EGR1 / MMP
研究実績の概要

これまでに、抗うつ効果に重要な役割を果たす塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF2)産生作用において、アストロサイトを標的とした抗うつ薬(amitriptyline)の薬理作用として、転写因子early growth response 1(EGR1)誘導が重要なシグナル分子であることを明らかにした。本年度は、さらなる上流のシグナルメカニズムの解明を目的に研究を実施し、以下の結果を得た。
(1)培養アストロサイトにおいて、amitriptyline誘導性EGR1増加作用は、FGF受容体阻害剤SU5402もしくはepidermal growth factor(EGF)受容体阻害剤AG1478を前処置することで抑制された。同様に、amitriptyline誘導性FGF2 mRNA増加作用もSU5402やAG1478前処置で抑制された。(2)アストロサイトのFGF/EGF受容体を活性化させる機構として、matrix metalloproteinase(MMP)を介したリガンドの切り出しによる機構が知られており、amitriptylineによるEGR1やFGF2発現増加作用もMMP阻害剤で抑制されたことから、amitriptylineはMMPを介して下流シグナルを活性化させる可能性が示唆された。(3)MMP活性化剤であるAPMAを培養アストロサイトに処置することで、抗うつ薬同様にFGF2 mRNA発現が増加した。
以上得られた知見から、培養アストロサイトにおいて抗うつ薬amitriptylineは、MMP/(FGFR and EGFR)/ERK/EGR1シグナルカスケードを介してFGF2の産生を増加させる可能性が示唆された。
これらの知見は、従来の抗うつ薬の薬理作用とは異なるアストロサイトを標的とした新たな治療薬の開発につながることが期待できる。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Amitriptyline up-regulates connexin43-gap junction in rat cultured cortical astrocytes via activation of the p38 and c-Fos/AP-1 signalling pathway.2014

    • 著者名/発表者名
      Morioka N, Suekama K, Zhang FF, Kajitani N, Hisaoka-Nakashima K, Takebayashi M, Nakata Y.
    • 雑誌名

      British Journal of Pharmacology

      巻: 171(11): ページ: 2854-67

    • DOI

      10.1111/bph.12614.

    • 査読あり
  • [学会発表] Tricyclic antidepressant amitriptyline acts on astrocytes leading to the increase in the FGF2 expression: A role of early growth response 1 signaling2014

    • 著者名/発表者名
      Naoto Kajitani
    • 学会等名
      44th Annual Meeting of Society for Neuroscience
    • 発表場所
      Washington D.C.
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-19
  • [学会発表] 初代培養アストロサイトにおいてamitriptylineはEGR1の産生を介してFGF2の発現を増加させる2014

    • 著者名/発表者名
      梶谷直人
    • 学会等名
      次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2014
    • 発表場所
      近畿大学・東大阪キャンパス
    • 年月日
      2014-08-30
  • [備考] 薬効解析科学‐広島大学(薬学部・大学院医歯薬保健学研究院)

    • URL

      http://home.hiroshima-u.ac.jp/pha/

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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