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2014 年度 実績報告書

摘出脳イメージングによる連合学習の分子生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J06931
研究機関首都大学東京

研究代表者

佐藤 翔馬  首都大学東京, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードショウジョウバエ / カルシウムイメージング / キノコ体 / シナプス可塑性 / LTD / cAMP / 神経科学
研究実績の概要

本研究はショウジョウバエ脳における神経可塑性の解明を目的として、摘出脳を用いたカルシウムイメージング実験を行っている。前年度までの研究により、嗅覚系の一次中枢である触覚葉に対する連続した電気刺激が触覚葉-キノコ体間シナプスにおける長期抑圧(Long-term depression; LTD)様のシナプス可塑性現象を引き起こすことを見出した。本年度はLTD様シナプス可塑性の形成機構について特にcAMPシグナル経路に注目して実験を行った。
アデニル酸シクラーゼをコードするrutの突然変異体はLTD様シナプス可塑性を示さなかった。プレシナプス(触覚葉)とポストシナプス(キノコ体)のどちらのrut発現がLTD様シナプス可塑性に必要かを調べるため、突然変異体における組織特異的なrutの遺伝子回復実験を行った。その結果、キノコ体において特異的にrutを強制発現させたハエではLTD様シナプス可塑性が観察されたが、触覚葉特異的に強制発現させたハエでは観察されなかった。よって、キノコ体におけるRut依存的なcAMPシグナル経路がLTD様シナプス可塑性に必要であることが明らかとなった。
RutはクラスIアデニル酸シクラーゼのため、連続刺激による細胞内カルシウム濃度の上昇がcAMP生産を誘導し、結果LTD様シナプス可塑性が引き起こされると考えた。このことを検証するため連続刺激時のみにアデニル酸シクラーゼの活性化剤であるフォルスコリンを添加して測定を行ったところ、コントロールに比べ顕著なLTD様シナプス可塑性が引き起こされた。よって触覚葉への連続刺激はキノコ体細胞内のcAMP濃度を上昇させることで下流の経路を活性化し、その結果LTD様シナプス可塑性を誘導することが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Modulation of innate and learned sexual behaviors by the TRP channel Painless expressed in the fruit fly brain: behavioral genetic analysis and its implications2014

    • 著者名/発表者名
      Sato S, Kitamoto T, Sakai T
    • 雑誌名

      Frontiers in behavioral neuroscience

      巻: 8 ページ: 400

    • DOI

      10.3389/fnbeh.2014.00400

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] cAMP signaling is involved in activity-dependent reduction of calcium responses in Drosophila mushroom body2014

    • 著者名/発表者名
      Shoma Sato, Kohei Ueno, Takaomi Sakai
    • 学会等名
      Society for Neuroscience - Neuroscience 2014
    • 発表場所
      Washington, D.C. (United States of America)
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-19
  • [学会発表] ショウジョウバエ摘出脳における触覚葉-キノコ体間シナプスを介した神経活動依存的なカルシウム応答の減少2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤翔馬、上野耕平、坂井貴臣
    • 学会等名
      第37回日本神経科学大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-13
  • [学会発表] Activity-dependent reduction of Ca2+ responses through AL-MB synaptic transmission in the isolated Drosophila brain2014

    • 著者名/発表者名
      Shoma Sato, Kohei Ueno, Takaomi Sakai
    • 学会等名
      新学術領域【多様性から明らかにする記憶ダイナミズムの共通原理】班会議
    • 発表場所
      シェラトンホテル札幌(北海道・札幌市)
    • 年月日
      2014-06-16 – 2014-06-18
  • [備考] 首都大学東京・生命科学コース・細胞遺伝学研究室

    • URL

      http://www.biol.se.tmu.ac.jp/labo.asp?ID=celgen

  • [備考] ショウジョウバエ神経遺伝学の部屋にようこそ Neurogenetics in Drosophila

    • URL

      http://neurogenet.exblog.jp/

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公開日: 2016-06-01  

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