研究課題/領域番号 |
12J07034
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
按田 瑞恵 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2) (60759455)
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キーワード | Aurantimonas sp. / Aureimonas sp. / マメ科 / ミヤコグサ / エンドファイト / 葉圏 / 根粒共生 / 共焦点レーザー顕微鏡 |
研究概要 |
マメ科植物の根粒形成制御機構が、葉圏に生息する非根粒菌に与える影響を明らかにするために、モデル実験系を作成して以下の実験を行った。 1.根粒形成遺伝型が葉圏細菌の細菌数に与える影響 非根粒菌Aureimonas(Aurantimonas)sp.AU20およびEnterobaeter sp.M006をミヤコグサ野生型Gifuおよび根粒超着生変異体har1に接種し、細菌数を測定した。AU20株のみ宿主植物の根粒形成遺伝型によって細菌数が変化することが明らかとなった。 2.Aureimonas sp.AU20の生息場所 .Aueimonas,属細菌の植物における生息場所は知られていない。そこで、GUS標識したAU20株をミヤコグサに接種し、生育場所を観察した。AU20株は、気孔あるいは水孔から葉に侵入した後、葉脈周辺に定着することが明らかとなった。次に、局在性を詳細に解析するために、GFP標識したAU20株をミヤコグサに接種し、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、AU20株は、葉の維管束柔細胞周辺に生息するエンドファイトであることが明らかとなった。 3.根粒形成遺伝型がAU20株の局在性に与える影響 GUS標識したAU20株をミヤコグサGifuおよびhar1に接種して局在性を比較した。葉脈周辺におけるAU20株のGUS活性が、根粒形成遺伝型によって変化することが明らかとなった。 葉の維管束は、根粒形成制御のシグナル伝達が行われている場所と考えられている。その付近でAU20株の定着度合が変化することは、根粒形成制御機構と非根粒菌との関わりを強く示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、モデル実験系の作成や共焦点レーザー顕微鏡の観察条件の設定で困難が予想されたが、実験系を確立することができた。その結果、Aureunonas属細菌の生息場所を明らかにすることができ、根粒形成制御系と葉圏細菌との興味深い関係を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で着目しているAureimonas属細菌は、様々な植物に生息することが報告されているものの、その生態は明らかではない。そこで本年度は、Aureimonas属細菌のゲノム解析を行い、葉圏細菌としての特徴を明らかにする。
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