研究課題
La(Fe_xSi_<1-x>)_<13>系化合物では遍歴電子メタ磁性転移の出現により潜熱が発生し、磁化曲線へ影響をおよぼす。このとき、熱活性により核生成・成長が助長されるならば、遍歴電子メタ磁性転移が出現するキュリー温度恥以上の温度範囲において磁化変化が顕著に表れると予想される。そこで、x=0.88の試料ならびに水素吸収によりT_Cを室温近傍まで上昇させたLa(Fe_<0.88>Si_<0.12>)_<13>H_<1.0>化合物に対して一定磁場を印加した等温状態において磁化の時間変化を測定した。La(Fe_<0.88>Si_<0.12>)_<13>化合物では測定温度がT_C近傍の場合、相転移磁場μ_0H_C以上の磁場印加下において時間の経過と共に常磁性状態から強磁性状態への磁化変化が現れた。しかし、測定温度の上昇と共にμ_0H_C近傍において磁化の値が強磁性磁化値を示す前に漸近したため、転移完了にはμ_0H_Cよりも大きな磁場が必要となった。また、La(Fe_<0.88>Si_<0.12>)_<13>H_<1.0>化合物においても同様の結果を得た。さらに、各測定温度において常磁性状態から強磁性状態への相転移が完了する磁場印加範囲に対してJohnson-Mehl-Avramiモデルを用いた相転移時間の評価を行った結果、測定温度の上昇と共に転移時間が増大することから、熱活性による核生成・成長の助長は現れていないことを見出した。
2: おおむね順調に進展している
相転移の出現により核生成・成長が生じることに着目し、等温過程における相転移進行について磁化の時間変化を測定して評価・検討した結果、核成長に相当する相転移進行には印加磁場の大きさによる変化よりも温度変化の影響が支配的であることを示した。また、申請者は核生成・成長に伴う微視的な核界面の変化を電磁気学的にとらえ、等温過程における相転移進行には内部磁場、印加磁場、試料形状ならびに生成相に由来する反磁場が密接にかかわっていることを見出した。
相転移時の潜熱の発生による界面状態の温度変化が相転移進行におよぼす影響を検討する。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件)
APPLIED PHYSICS LETTERS
巻: 102 ページ: 041913-041913
Journal of Applied Physics
巻: 113 ページ: 17A924-17A924
SCRIPTA MATERIALIA
巻: 67 ページ: 578-183