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2012 年度 実績報告書

戦時下日本・朝鮮・満州映画における女優表象の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J07334
研究機関東北大学

研究代表者

李 敬淑  東北大学, 大学院・国際文化研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード戦時下日本映画 / 植民地期朝鮮映画 / 田中絹代 / 原節子 / 文芸峰 / 金信哉
研究概要

本研究は、最近発掘された植民地地域の映画を研究対象に含め、戦時下の東アジア映画の全体像を把握するものである。そして、1931年満州事変から1945年第二次世界大戦終戦に至るまでの時期において日本、朝鮮、満州の映画界に現れた文化史的現状を「女優」という一つの軸を中心に分析することで、東アジア映画界のネットワークの在り様を明らかにすることを目的とする。
その中で特に主眼を置いている課題は、既存の一国的な観点からではなく、帝国の中心(日本、内地)と植民地周辺(朝鮮・満州)との間で起こる統合/分離の緊張関係の中で、東アジア地域における戦時下映画を捉えることである。従来の研究が1930~1940年代東アジア映画に関する多様な研究成果を生み出してきたものの、それが各々日本、中国、韓国という個別国家の範囲で行われてきたため、映画史的相関性・相違性にもとづいた相互的な視点から、この時期の映画を比較・検討した総合的研究は未だにないと言っても過言ではない。日本側では特に植民地地域の映画に対してまだ殆ど知られておらず、帝国と植民地というネットワークを形成していた近代の日本映画の一面を正しく理解するためにも、本研究は必要不可欠な研究だと考えられる。
今までの研究実績についてはまず戦時下の日本・朝鮮映画の相関関係について研究成果を出したことが報告できる。これは等閑視されてきた帝国と植民地の文化現象を田中絹代、原節子、文芸峰、金信哉の事例を通して比較分析したものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題の研究対象となる五人の女優の中、四人の分析がおおむね終わっており、それに関連した成果を出したので、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

平成25年度には満洲地域の映画女優・李香蘭の表象に関する研究に移り、その研究結果を日本と朝鮮の女優との相関関係を中心に分析していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「植民地発コクゴ映画」における二重言語問題と女優の表象2012

    • 著者名/発表者名
      李敬淑
    • 雑誌名

      映画研究

      巻: 7 ページ: 40-55

    • 査読あり
  • [学会発表] 「帝国の朝鮮映画」における二重言語問題と女優の表象2012

    • 著者名/発表者名
      李敬淑
    • 学会等名
      日本映画学会
    • 発表場所
      国士舘大学(東京都)
    • 年月日
      2012-06-30

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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