研究課題/領域番号 |
12J07469
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
堀内 聡 北海道医療大学, 心理科学部, 特別研究員(PD)
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キーワード | リカバリー経験 / 余暇活動 / ワークストレス / 生活の質 / ストレスマネジメント |
研究概要 |
余暇活動や生活の中でのストレスからの回復体験といったストレスマネジメント行動がストレス反応や生活の質とどのような関連性力弐あるのかを検討するために、3つの研究に取り組んだ。第一の研究は、回復体験とストレス反応との関係を明らかにしたものである。参加者は、特別支援学校などに勤務する教諭205名であった。ストレス反応に関連するリカバリー経験の要素を明らかにするため、重回帰分析を実施した。独立変数はリカバリー経験とその他の変数、従属変数はストレス反応であった。その結果、リカバリー経験の4つの要素のうち、リラックスがストレス反応に関連することが明らかになった。 第二の研究では、主観的幸福感とストレスからの回復体験との関連性を検討した。参加者は、主観的幸福感が大学生の平均よりも標準偏差以上高い幸福感高群8名、標準偏差以上低い幸福感低群9名である。4分間の安静期に続き、観察者の前で暗算課題を4分間負荷した(課題期)。課題終了後、4分間、安静にしてもらった(後課題期)。後課題期において、幸福感低群と比較して、幸福感高群ではネガティブ気分が低かった。つまり、幸福感低群と比較して、幸福感高群は喚起されたストレス反応からの回復が迅速であることが明らかになった。 第三の研究は、ストレスマネジメント行動を増強する介入の有効性の検証である。参加者は大学生455名である。参加者を無作為にワークブック(W)群(n=212)とワークブック+フィードバック(W+FB)群(n=243)に振り分けた。すべての参加者は、ストレスマネジメントのためのワークブックを受け取った。W+FB群の参加者のみ、アセスメント終了後とその2週間後にエキスパート・システムによる介入を受けた。その結果、W+FB群の方が介入後のストレス反応が低かった。ストレスマネジメント行動の増強により、ストレス反応の緩和につながることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に予定していたリカバリー経験とストレス反応および生活の質に関する調査研究を残しているものの、介入研究のデータ分析を前倒しして行っている。そのため、研究の進展は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までに着手できていない研究を堅実に実行する。
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