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2013 年度 実績報告書

乳腺の正常発生、分化から探る放射線誘発乳がんの分子メカニズム研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J07555
研究機関首都大学東京

研究代表者

高畠 賢  首都大学東京, 人間健康科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードラット / 乳腺 / 放射線 / 乳がん
研究概要

昨年度より引き続き(i)放射線被ばく後の妊娠・出産経験が及ぼす放射線誘発乳がんリスクの変化についての動物実験、(ii)ラットにおける放射線誘発乳がんと自然発生乳がんのゲノムDNAメチル化についての研究を実施した。
(i)に関しては、放射線照射または発がん剤メチルニトロソウレア投与処理をしたSD雌ラットと無処理の同ラット計約300匹を飼育・観察した。現在までにすべてのラットを解剖し終わり、正常乳腺組織と乳腺腫瘍および、乳腺腫瘍に関係する臓器の病理標本を作製した。
(ii)に関しては、思春期前または思春期後のラットに放射線を照射して得られた乳がん、非照射のラットに自然発生した乳がんおよび、正常乳腺組織から抽出したゲノムDNAを用いてCpGislandマイクロアレイ解析を実施した。正常乳腺組織と比べて高メチル化または低メチル化領域の数を調べた結果、低メチル化領域は自然発生乳がんにおいて特に高頻度に見られた。思春期前の照射による放射線誘発乳がんで特徴的なメチル化変動を示す領域は少なく、思春期後の照射による放射線誘発乳がんに特徴的な高メチル化領域が多く、自然発生乳がんに特徴的な低メチル化領域が多かった。Gene Ontology解析を行い、特徴的にメチル化変動を示した領域にどのような機能に関連する遺伝子群が濃縮されているかを調べた。思春期前の照射による放射線誘発乳がんでは、乳腺の発生に関連する遺伝子群のメチル化変動が特徴的であることが明らかになった。遺伝子の転写開始点近傍にあったメチル化変動を示す領域に着目し、それらの遺伝子発現を調べると、いくつかの遺伝子に関しては、メチル化変動と遺伝子発現変動が有意に逆相関していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

長期の動物実験を終了し、病理診断のための標本を作製したため。

今後の研究の推進方策

長期動物実験から得られた病理標本を観察することにより乳腺腫瘍が悪性腫瘍(乳がん)か良性腫瘍かを診断し、放射線被ばく後の妊娠・出産経験が及ぼす乳がんリスク修飾効果について明らかにする。現在までの成果を原著論文として、発表する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 放射線誘発ラット乳がんと自然発症乳がんのゲノムDNAメチル化の網羅的解析2013

    • 著者名/発表者名
      高畠 賢、臺野 和広、今岡 達彦、西村 まゆみ、福士 政広、島田 義也
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2013-12-04

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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