研究課題/領域番号 |
12J07572
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ヤン ジャクリン 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | リニアコライダー / 電子ビーム / 加速器 / ILC |
研究概要 |
ILCのための最終収束系の試験施設ATF2の仮想衝突点において縦方向に37nmに収束した極小の電子ビームサイズを測定する「新竹モニタ」を研究開発行った。新竹モニタはレーザー干渉を用いる革新的な手法により, 100nm以下の仮想衝突点の垂直方向ビームサイズを測れる唯一の手段としてATF2の目標達成とILCの実現にとって不可欠である。日頃はKEKにある加速器施設ATF2にて実際beam tuningに携わりつつ、新竹モニターを用いてビームサイズを精密測定し、測定結果を加速器にフィードバックすることによりビームチューニングと収束手法の研究に常時安定に貢献している。Beam off期間中はbeam time dataを解析し、その結果を審議し、どのようにして今後のbeam timeの改善へつなげられるかどうかを検討した。これまでに多数回のハードウエアと測定手法の改良により、5%より良い測定安定性を実現し、測定性能を向上させてきた。これまでには60nm以下のビームサイズの連続測定という新記録を達成した。様々なレーザー由来の系統誤差要因の詳細分析が継続し、測定値に不確定性をつけたり補正したりし、「真」のビームサイズを導出する研究をも継続中でである。これが本人の本研究における最重要な部分である。更に、研究の結果を国内、国外の学会で発表し、学会に参加する過程の中で議論の機会が得られ、この交流が実験の新しい発想と改善への道を作り出している。更に、科学誌へ論文投稿の形でも研究結果を発表してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ビームサイズ測定の精度が予想よりも多くの改善があったため、論文としてまとめられるようなテータが早い段階で取得できたので。
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今後の研究の推進方策 |
夏のbeam off期間までに加速器施設現場で実験に携わり更に良いビームサイズ測定の記録を目指す。それ以降はデータの解析と結果発表と論文の仕上げに専念する。
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