研究課題/領域番号 |
12J07707
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
天畠 大輔 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 天畠大輔 / 重度障がい者 / ロックトインシンドローム / コミュニケーション / 発話障がい / 通訳者 / skype / 「あかさたな話法」 |
研究概要 |
博士論文序章、第1章の執筆および調査研究I・II・IIIの準備、実施、結果のまとめ等の進捗状況は下記の通りである。●第1章では、本論文で中心に扱う「コミュニケーション」とその「保障」について、その保障を必要としている対象は誰なのか。そして、筆者が注目する「通訳者」について整理を加え、定義や研究に対する方法論などを記述した。そして、本論文の具体的な問題関心を述べ、先行研究や制度の整理を行った。●研究Iは、「専門的な障がい者を支援する通訳者」をテーマとし、当事者の持つ専門的な行為に見合った通訳者について実証的に検証する予定である。現在までに、発話困難な障がい者の独特な立ち位置やその社会参加方法、彼らの通訳・介助者の専門性・資格についての先行研究をまとめた。また調査対象は聾研究者とその手話通訳士等に調査協力を依頼する予定である。●研究IIは、「天畠大輔の事例研究からわかる「当事者」と「通訳者」のあり方」をテーマとし、「当事者」と「通訳者」のよりよい関係性のあり方の研究を予定している。現在3事例の調査が終了しており、今後残りの調査を行う。インタビューから得られた結果は解決方法を中心に分析を加えていき、その関係性の内に潜む問題や可能性を析出する予定である。●研究IIIは、「「通訳者」を必要とする「障がい者」と「通訳者」」をテーマとし、アジア、ヨーロッパの「通訳者」と国内の「通訳者」の比較検討し、どのような援助技術が求められているのかを再考する予定である。2012年9月には、フランスのロックトインシンドローム協会「ALIS」の代表者を対象に、Skype中継でのインタビューを行った。また2013年3月には、台湾の障がい当事者であるジョアン・フーフォア(荘馥華)氏とその通訳・介助を行う彼女の母を対象に半構造化インタビューを行った。今後、上記2事例の結果をまとめるとともに、日本国内の事例として、ALS患者へのインタビュー調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた予定に近い形で研究がすすみ、なおかつ台湾での現地調査が順調に進んだ。そのため「おおむね順調に進展している」とする。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に研究計画に基づいた研究課題の遂行、執筆を行っていく。今年度は特に、研究課題1の「専門的な障がい者を支援する通訳者」について明らかにするために、専門領域で働くろう者への聞き取り調査を進めている。
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