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2013 年度 実績報告書

酸素脱リグニン過程における炭水化物の分解機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12J07723
研究機関東京大学

研究代表者

中川 明彦  東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード酸素脱リグニン / セルロース / パルプ / リグニン / 速度論的同位体効果
研究概要

酸素脱リグニン過程で問題となる多糖類の分解は、酸素分子によってではなく、酸素がリグニン中のフェノール性部位と反応することによって生成する活性酸素種(AOS)によって、引き起こされる。AOSによる多糖類の分解を抑制するためには、酸素脱リグニン過程においてAOSが行う反応の解明が必須である。このためには、まずはモデル化合物を用いて基礎的知見を蓄積することが、重要である。今年度では、酸素脱リグニン条件下において、AOSが糖モデル化合物を構成する炭素―水素結合の中でどれを優先的に攻撃するかについて明らかにすることを、目的とした。なお本研究では、実際の酸素脱リグニンに近い条件下で反応を行うため、糖モデル化合物と共にフェノール性化合物を共存させ、これと酸素との反応によって系中でAOSを生成させた。
上記目的のため、糖モデル化合物であるmethyl β-D-glucopyranoside (MGP)とMGPのアノマー位、C-2位、C-3位、C-4位、C-5位あるいはC-6位に重水素を持つ重水素化MGPの2種類を共にAOSと反応させ、MGPの分解の方が速いかどうか、すなわち、速度論的同位体効果が観測されるかどうか、を調べた。これによって、MGPのどの水素がAOSによって引き抜かれやすいのか、についての検討を試みた。その結果、MGPと重水素化MGPの分解の差が大きい順にこれを重水素の存在する位置で示すと、AOSとの反応では、C-3位>アノマー位≈C-2位>C-4位>C-6位>C-5位となり、この順番は、既往の知見に比較的近いものとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(抄録なし)

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 酸素漂白過程における炭水化物の被攻撃部位の特定2013

    • 著者名/発表者名
      中川明彦、横山朝哉、松本雄二
    • 学会等名
      第58回リグニン討論会
    • 発表場所
      サンポートホール高松(香川県)
    • 年月日
      2013-11-13
  • [学会発表] 酸素脱リグニン過程における活性酸素種による炭水化物被攻撃部位の特定4. 炭水化物と活性酸素種との反応に対する炭水化物の立体配置の影響について2013

    • 著者名/発表者名
      中川明彦、横山朝哉、松本雄二
    • 学会等名
      第80回紙パルプ研究発表会
    • 発表場所
      東京大学農学部弥生講堂
    • 年月日
      2013-06-25
  • [備考]

    • URL

      http://www.woodchemistry.fp.a.u-tokyo.acjp/member002001.pdf

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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