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2014 年度 実績報告書

ツバルにおける気候変動への危機意識の形成と歴史的知識の記録化に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J07905
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

小林 誠  お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード気候変動 / 危機意識 / 「伝統文化の消滅」 / 歴史実践 / 記録化 / 文化人類学 / ツバル / オセアニア
研究実績の概要

本研究は、気候変動による伝統文化の消滅という危機意識を背景に、ポリネシア・ツバルで実施されてきた歴史の記録化について考察することを目的とする。2014年度は、これまで行ってきた研究を踏まえながら、それが現在、どのようなかたちで展開しているのかについての最新状況を明らかにするべく、関連する諸資料の収集・分析を行った。
その結果、以下のことが明らかになった。これまでの研究で、ツバルの人びとの危機意識の形成においてはマスメディアによる影響が色濃く見られることを指摘してきたが、近年ではインターネット空間で流通する情報が大きな意味を持ちつつあることが明らかになった。さらに、インターネットの普及などの情報を得るチャンネルの多様化に呼応するかのように気候変動をめぐる見方もまた近年とみに多様化しており、気候変動が必ずしも伝統文化の消滅という危機意識を形成しないような状況へと変化しつつあることがわかった。
また、ツバルの人びとによってこれまで行われてきた歴史の記録化は一定程度、成果を残してきたが、近年では多様な意見をまとめることがより一層困難になり、その活動が停滞しはじめてきていることが明らかになった。この背景のひとつには、気候変動をめぐる意見が多様化し、必ずしも危機意識と結びつかなくなってしまったことがあげられる。他方、こうした状況に対して、現在では、何が記録化すべき「真実」の歴史なのかを、超自然的な存在によって明らかにしようとする動きもみられるようになった。この点は、気候変動の危機意識に端を発した歴史の記録化の動きが、現地社会の伝統的な概念と結びつきながら、新たな展開をとげていることを示唆するものである。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 「神話と首長制―ツバル・ナヌメア環礁社会における「真実の物語」の探求をめぐる民族誌―」2015

    • 著者名/発表者名
      小林誠
    • 学会等名
      日本文化人類学会 2014年度関東地区修士論文・博士論文発表会
    • 発表場所
      首都大学東京 南大沢キャンパス
    • 年月日
      2015-03-19
  • [学会発表] 「伝統の合意/合意の伝統――ポリネシア・ツバルにおける憲章作成と神話の真実」2014

    • 著者名/発表者名
      小林誠
    • 学会等名
      白山人類学研究会
    • 発表場所
      東洋大学白山キャンパス
    • 年月日
      2014-06-23
  • [図書] A General World Environmental Chronology2015

    • 著者名/発表者名
      Makoto KOBAYASHI (共著)
    • 総ページ数
      876
    • 出版者
      Suirensha
  • [図書] 『メディアとフィールドワーカー――「社会問題」にどう対するか(1)』2015

    • 著者名/発表者名
      小林誠(共著)
    • 総ページ数
      210
    • 出版者
      古今書院

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公開日: 2016-06-01  

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