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2013 年度 実績報告書

脳におけるビタミンK生合成機構の解明と加齢性脳神経変性疾患との関連性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12J07941
研究機関神戸薬科大学

研究代表者

廣田 佳久  神戸薬科大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードビタミンK / UBIAD1 / 脳神経細胞 / ノックアウトマウス
研究概要

ヒトが、食事から摂取するビタミンKの90%以上はphylloquinone (PK)であり、体内の組織中に存在するビタミンKの大部分はmenaquinone-4 (MK-4)である。これまでに、ヒトやマウスの脳に、MK-4がビタミンK標的組織である肝臓や骨よりも高濃度に存在すること、投与したビタミンKが脳に移行しMK-4が生合成されることを報告している。また最近、我々はこの生合成を担う酵素がUbiA prenyltransferase domain containing 1 (UBIAD1)であることを世界に先駆けて報告した。しかし、脳内にMK-4が高濃度に存在する理由は明らかでなく、脳におけるビタミンKの生理作用については十分に解析されていない。そこで、申請者は脳神経変性疾患と脳におけるMK-4生合成の意義を解明するため以下の検討を行った。これまでに、UBIAD1遺伝子のターゲティングベクターを含むES細胞株の樹立し、UBIAD1遺伝子のExon-1の下流にネオマイシン耐性遺伝子を組み込み2個のloxPで挟んだターゲティングベクターを含むES細胞株を用いてUBIAD1^<flox/flox>マウスを作出した。さらに、作出したUBIAD1^<flox/flox>マウスに、Creマウスを交配させ、全身的にUBIAD1発現が欠失したUBIAD1^<-/->マウスを作出した。平成25年度は、作出したUBIAD1^<-/->マウス、表現型の解析を行った結果、UBIAD1^<-/->マウスが胎生早期において致死となることが明らかになった。全身性UBIAD1^<-/->マウスの解析が困難なことから、次にUBIAD^<+/->マウスの表現型の解析を行った。その結果、UBIAD1^<+/->マウスは野生型と25週齢まで体重に差は認められず、UBIAD1遺伝子およびタンパク質の発現量が30%以上有意に低下した。また、UBIAD1^<+/->マウスの大脳を含め23組織中のMK-4量は、UBIAD1タンパク質発現量と同様に低下していた。さらに、UBIAD1^<+/->マウスの大脳から初代培養した神経幹細胞は、野生型と比較してニューロンへの分化が亢進する傾向が認められた。このように、本年度はビタミンKの脳における生理作用をUbiad1遺伝子欠損動物および細胞を用いて解析を行った。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Menadione (vitamin K_3) is a catabolic product of oral phylloquin one (vitamin K1) in the intestine and a circulating precursor of tissue menaquinone-4 (vitamin K_2) in rats.2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshihisa Hirota
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry

      巻: 288 ページ: 33071-33080

    • DOI

      10.1074/jbc.M113.477356

    • 査読あり
  • [雑誌論文] UBIAD1により合成されたmenaquinone-4は血管の恒常性維持を担う2013

    • 著者名/発表者名
      廣田 佳久
    • 雑誌名

      ビタミン誌

      巻: 87 ページ: 691-695

    • 査読あり
  • [学会発表] ビタミンK側鎖切断酵素の探索2014

    • 著者名/発表者名
      廣田 佳久
    • 学会等名
      第134回日本薬学会年会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2014-03-30
  • [学会発表] Menaquinone-4生合成酵素UBIAD1遺伝子の発現制御因子の探索2013

    • 著者名/発表者名
      廣田 佳久
    • 学会等名
      第65回日本ビタミン学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2013-05-17

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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