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2012 年度 実績報告書

スピロピランのナノ結晶化による結晶フォトクロミズム発現と材料展開

研究課題

研究課題/領域番号 12J08131
研究機関東北大学

研究代表者

田川 典生  東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードフォトクロミズム / 有機ナノ結晶 / スピロピラン / 再沈法
研究概要

当該研究課題について平成24年度には、スピロピラン化合物を用いたナノ結晶の作製と、その構造・物性評価によるフォトクロミズム機構の詳細な検討を行った。具体的にはまず、スピロピラン化合物の選定と再沈法によるナノ結晶の作製を行った。各種条件検討により、良好なスピロピランナノ結晶を得ることに成功した。また、作製したスピロピランによるナノ結晶はフォトクロミズム、つまり紫外光・可視光の交互照射により可逆的な色調変化を示すことを見出した。
この研究成果は、1.スピロピランの良好なナノ結晶を得る方法を開発したこと、2.スピロピランの室温かつ固体状態でのフォトクロミズムを見出したこと、の大きく2点で意義深い。1.については、良好かつ結晶化度の高いナノ結晶を得ることでナノサイズにおける基礎科学な物性の解明が可能となるとともに、集積化等により新たな材料展開を可能とした。2.については、スピロピランが室温かつ固体状態にてフォトクロミズムを示す初めての例であり、特に興味深い成果である。一般的にスピロピランは固体状態ではフォトクロミズムを示さないと考えられている。これまでに、特異な分子設計、液体窒素以下の低温、レーザー光等により固体状態でのフォトクロミズムを達成した例はあるが、材料展開を考えた場合は十分とは言えない。本課題において作製したスピロピランナノ結晶は、そのフォトクロミック特性と材料加工の観点で、材料展開へ大きな期待を持つことができる。
本年度の研究成果は、スピロピランのナノサイズにおけるフォトクロミズム機構の詳細解明を可能とするとともに、新たな応用展開を可能とする点でとても有意義かつ興味深い。また、幅広い波及効果も期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の目標であったスピロピランを用いたナノ結晶の作製とフォトクロミズムの観測に、成功したためである。
それにより、より詳細な物性解明や目指していた材料展開が可能となった。

今後の研究の推進方策

今後は作製したスピロピランナノ結晶を用いて、1.スピロピランのナノサイズにおけるフォトクロミズム機構を解明する。各サイズのスピロピランナノ結晶について、各種物性評価を行う。また、2.スピロピランナノ結晶の材料展開を創出する。スピロピランナノ結晶のフォトクロミズムに伴う光メカニカル機能の検証と、金属イオンや他の分子を介した集積化を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Optical Properties of Photochromic Nanocrystals2013

    • 著者名/発表者名
      田川典生
    • 学会等名
      7th International Conference on Molecular Electronics and Bioelectronics
    • 発表場所
      福岡県福岡市
    • 年月日
      2013-03-19

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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