研究課題/領域番号 |
12J08155
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
阪本 展仁 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | MAB4ファミリー遺伝子 / エンドサイトーシス / オーキシン / PINタンパク質 / 細胞骨格 |
研究概要 |
MAB4ファミリー遺伝子のコードするMAB4ファミリータンパク質がどのような分子機能を持つかを明らかにすることが、本研究の大きな目標であった。 本年度は、MAB4ファミリータンパク質の細胞膜上における分子的な挙動を詳しく観察するためにTIRF顕微鏡を用いた観察を主に行った。観察の結果、MAB4ファミリータンパク質はかなり速く細胞膜付近で動いている事、その速度はPINタンパク質よりもかなり速い事が明らかとなった。これは共焦点顕微鏡によるFRAPのデータと一致する。加えて、mell234変異体におけるPINタンパク質の動きは、野生型のPINにくらべて遅くなっていることが明らかとなった。共焦点顕微鏡では、エンドソームの動きやFRAPの動きなどに差は無かったため、これは細胞膜付近でのみMAB4ファミリータンパク質は機能し、PINの物理的な動きの制限をしているということを示唆する。 もう一つの計画である相互作用因子の探索については、本年度は進展がなかった。来年度に本格的に候補の選定を行う予定である。しかしながら、本年度にMAB4の局在の制御を細胞骨格が担っていることを示唆するデータを得た。したがって、相互作用因子の選定にあたって細胞骨格に関連した因子を中心に見ていく事を計画している。 最近の研究によって、PINタンパク質のエンドサイトーシスはクラスリン依存的であり、かつそれはABP1を介したオーキシンシグナリングによって制御されている事が明らかとなってきた。MAB4もエンドサイトーシスに関わると考えられるが、ABP1とは違って、PINタンパク質制御の特異的な因子である。したがってMAB4ファミリーが司る制御系を明らかにする事は、細胞極性と結びついたオーキシンの輸送を、理解し制御する方法につながると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画を行っていた相互作用因子の実験について、条件設定などがうまく行かなかったために遅れている。 その他の部分については期待以上に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
TIRF顕微鏡による観察をより詳細に行っていく。各種マーカータンパク質と交配しMAB4、PINと同時に観察することで、時空間的、状況依存的な挙動の変化を追う事を計画している。 相互作用因子を共免疫沈降により同定する。そのためのMAB4過剰発現体は作出済みである。 クラスリンとMAB4の制御系について明らかにする。
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