• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

磁性体におけるBerry位相とマグノンの軌道運動による新奇現象の探索

研究課題

研究課題/領域番号 12J08172
研究機関東京工業大学

研究代表者

松本 遼  東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(DC2)

キーワードスピン波 / スピントロニクス / Berry位相 / 磁性体
研究概要

本研究の目的は、磁性体におけるマグノンの輸送現象において、マグノン系でのBerry位相に関連した新奇物性を探索することである。平成24年度には一般のスピン波、すなわち強磁性体中のマグノンだけでなく反強磁性マグノンのようなBdGハミルトニアンで記述されるスピン波の数学的な解析を行った。具体的にはBdGハミルトニアンの対角化の一般的な手続きや固有ベクトルの性質(パラユニタリ性)などを見出した。次に、温度勾配を擬ポテンシャルで表し摂動として扱う計算手法を用いて、このBdGハミルトニアンから出発し熱流演算子を連続方程式から導出することに成功した。その際、ボゾンの交換関係に起因する行列が各所に現れることを発見し、フェルミオンとの統計性の違いを見出した。この熱流演算子は摂動の0次の項と1次の項に分けられ、24年度は線形応答理論を用いてこの0次の項から導出される熱輸送係数通常の久保公式で計算される輸送係数に相当)の計算を行った。この際、摂動の時間微分がちょうど熱流演算子の0次の項に相当することが計算により確かめられた。同時に我々は静磁波と呼ばれる古典電磁気学で記述されるモードについての解析を行い、静磁波の固有モードが一つの積分方程式に従い、一般化固有値問題と呼ばれる問題に属することを確認した。この一般化固有値問題は簡単な式変形によりBdGハミルトニアンの対角化問題と同値であることを見出し、上述した計算が静磁波の場合にも適用できることを発見した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

BdGハミルトニアンで記述されるボゾン系の数学的な下準備はほぼ終了し、熱流演算子の計算も完了した。

今後の研究の推進方策

24年度で得られた計算結果を用い、今後は熱輸送係数の計算を行い熱ホール伝導率の表式およびBerry位相との関係性を明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] BdGハミルトニアンで記述されるマグノンの熱ホール効果2013

    • 著者名/発表者名
      松本遼, 進藤龍一, 村上修一
    • 学会等名
      日本物理学会第68回年次大会
    • 発表場所
      広島大学東広島キャンパス
    • 年月日
      2013-03-27

URL: 

公開日: 2015-07-13  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi