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2012 年度 実績報告書

in vitroで選択・誘導した抗原特異的抗体産生細胞による癌治療モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 12J08179
研究機関東京理科大学

研究代表者

馬渡 達也  東京理科大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード細胞療法 / 抗腫瘍療法 / B細胞培養 / 抗原特異性 / 抗体産生細胞
研究概要

本研究課題では、当研究室で確立したiGB細胞培養系を応用することで、現在行われている癌ワクチン療法とは異なる、液性免疫を効果的に誘導する新たな治療型ワクチンの構築を目的としている。
現在構築している系を用いることで、肺への腫瘍転移は抑制するが生存期間の大幅な延長は認められなかった。そこでiGB細胞移入方法を経静脈注から腹腔注に変えたところ、10倍近い血中抗体価の上昇が認められた。さらに複数回iGB細胞を移入することにより、1回移入に比べ更なる血中抗体価の上昇が認められ、生存期間の延長が認められた。
次に、抗原特異的B細胞を得るためのiGB細胞選択系について更なる検証を行った。この系はBCR刺激を受けた細胞はFasLからの細胞死シグナルを阻害することができるという報告を基に作製した。まず構築したiGB細胞選択系の検出限界について検証を行った。その結果初期細胞中に存在する抗原特異的B細胞が0.001%以上の場合に濃縮することが可能であることが分かった。さらに、未免疫マウスの正常レパートリーB細胞から抗原特異的B細胞を選択できるかを検証した。しかし現行の条件では全く濃縮されなかった。そこで刺激時間を変更し様々な条件で検証を行ったところ、BCR刺激時間を延長させることで正常レパートリーからも抗原特異的なB細胞を濃縮することに成功した。この結果は、ヒト末梢血B細胞から抗原特異的B細胞を濃縮する可能性があることを示唆しており、最終目標であるヒトプラズマ細胞療法への応用が大いに期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

iGB細胞を腹腔に移入することで経静脈注に比べ血中抗体価が一桁増大することが分かり、腫瘍に対するプラズマ細胞療法の効果の改善が大いに期待できる。また、in vitroiGB細胞選択系では0.001%とかなり低い割合の抗原特異的B細胞の濃縮に成功している。さらに困難だと思われた未免疫マウス脾臓B細胞のナイーブなB細胞集団から抗原特異的B細胞を濃縮することにも成功している。従ってこの方法はヒトへの応用が大いに期待できる。

今後の研究の推進方策

未免疫マウスの正常レパートリーB細胞の中から抗原特異的なiGB細胞を濃縮することに成功したことから、この時の条件を基にヒト末梢血B細胞からの抗原特異的B細胞の濃縮を試みる。濃縮できない場合には、刺激時間の検討やフィーダー細胞に発現させる分子をヒトの分子に変えた新たなフィーダー細胞を作製し、検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Development of a cancer therapy using in vitro selected sntigen-specific plasma cell precursors in a mouse model2012

    • 著者名/発表者名
      馬渡達也
    • 学会等名
      第41回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      神戸国際展示場(兵庫県)
    • 年月日
      2012-12-06

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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