研究課題/領域番号 |
12J08188
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺坂 尚紘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | SELEX / miRNA / non-coding RNA |
研究概要 |
プロジェクト初年度である本年度は、ヒトsmall non-coding RNAライブラリーを用いてSELEX法を行い、小分子結合性miRNA前駆体の探索を行った。 最初にターゲット小分子の第一候補であるS-アデノシルホモシステインを、NHS基が表面にある磁気ビーズにアミノ基を介して固定化し、SELEX法を行った。6ラウンドのセレクションの結果、1種類の新規のncRNA配列が得られ、SAH-1と命名した。ノーザンプロッティング、q-PCR法によって、SAH-1はHeLa S3細胞に発現していることが確認された。またIn-line probing法・変異体解析により、SAHはSAH-1のインターナルループ構造に結合していることが分かった。SAH-1のヒト細胞内での機能解析は現在進行中である。 二つ目に、葉酸をターゲットとしたSELEX法も行った。ヒドロキシル基が表面にあるビーズに対し、葉酸のカルボキシル基をエステル結合を介して固定化した。4ラウンドのセレクションの結果、ヒトmiRNA前駆体であるpre-miRNAの配列が得られた。このpre-miRNAの葉酸結合部位や生体内での機能の解析は現在進行中である。 以上のことより本年度では、ヒトsmall noncoding RNAライブラリーを用いたSELEX法を確立した。小分子に結合するmiRNA前駆体の報告はこれまでに無く、本年度の研究成果は新規のmiRNA転写後調節機構の発見につながることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、ヒト由来のsmall non-codingRNAライブラリーを用いた小分子に対するセレクションを行う系を確立した。またこの系を用いて葉酸に対して結合するヒトmiRNA前駆体を発見した。これらの成果は当初の年次計画通りである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、葉酸の結合によってmiRNA前駆体のプロセシング過程に変化があるかをin vitro系を用いて調べていく。 miRNAプロセシングに関わるDicer、Droshaの発現・精製を行う予定である。また。葉酸とmiRNA前駆体の結合定数を表面プラズモン共鳴法などを用いて測定する計画である。
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