研究課題/領域番号 |
12J08299
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
横山 諒一 東北大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 消費者神経科学 / 神経経済学 / MRI / 意思決定 |
研究概要 |
本研究の目的は、購買衝動と社会的抑制の脳内バランスが、どのように変化するのかを、Functionalmagnetic resonance imaging(fMR1)を用いて可視化し、究明することにある。 申請者の先行研究では、心理実験の結果、社会的なリスク(他人に批判されるのではないかという恐れ)が購買行動を抑制する効果を有することが示された。上記の先行研究を踏まえ本計画では、脳内における社会的抑制の影響力の変化を、状況操作をすることにより明らかにする。 本年度は、神経経済学の世界的権威である米国カリフォルニア大学バークレー校のMing Hsu教授の研究室で、3ヶ月神経経済学の基礎知識を習得した他、手持ちのデータの解析方法についてアドバイスを受けた。また、以前取得した、購買意思決定中の脳活動に関わるデータを再解析し、購買衝動と社会的抑制の脳内メカニズムについて新たな結果を得た。このデータは、30名の被験者が、63の商品について、どのくらい買いたいか評定している時のfMRI画像である。また、fMRI画像に加え、購買衝動と社会的リスクに関わる心理指標もfMR1画像の他に取得している。 解析は、MATLAB上にて起動するSPMソフトウェア(http://www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/)を用いた。結果は、購買衝動と社会的リスクに相関して働く脳部位を同定した。購買衝動は、中脳に存在する腹側被蓋野、社会的リスクは島皮質が重要な役割をはたすことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに、MRIデータの解析が進み、論文化を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、fMRIデータの解析をさらに進め、機械学習の手法などを取り入れることで、脳部位間の活動の関係性などを解析する。
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