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2014 年度 実績報告書

「すざく」とASTRO-H衛星で実現する中性子星の質量と半径の同時測定

研究課題

研究課題/領域番号 12J08363
研究機関東京大学

研究代表者

櫻井 壮希  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード中性子星 / 降着 / X線
研究実績の概要

低質量X線連星(LMXB)は、概ね弱磁場(<10^9G)の中性子星と低質量星からなる連星系である。光度によってソフト状態、ハード状態の2種が存在する事が知られており、昨年度までにAql X-1の解析から、ハード状態におけるLMXBの作業仮説を得た(櫻井+2014)。この仮説を広く検証し、LMXBのハード状態の統一的な解釈を得るため、「すざく」アーカイブから 8 天体を選定し、計16 個の広帯域スペクトルを解析した。
解析の結果、ハード状態のスペクトルはすべて円盤放射と黒体放射、コンプトンコロナのたかだか3者で説明できることが判明した。とくにCen X-4やSLX1737-282では、Aql X-1と同じく低光度における黒体半径減少の兆候が見られた。全8天体について光度Lと黒体半径Rbbの関係を調べると、Lがエディントン光度Leddの数%から10%の範囲では、Rbbが中性子星半径(10 km) と無矛盾であった。一方L<0.01Leddではすべて10 kmより有意に小さくなっていた。これは中性子星磁気圏の発達によるものと考えられ、10^7~10^8G程度の磁場を仮定すれば、L<0.01Leddにおいて降着流が磁場に絞られ、中性子星表面の降着部は狭まり、Rbbが小さくなると考えられる。また、Rbbとは独立に、コロナの光学的厚みの光度依存性にも着目した。多くの天体では、Lが~3桁減少した場合でも、光学的厚みは1桁程度の減少にとどまる。つまり物質量(L)の減少に対して密度(光学的厚み)のそれが緩やかになるためには、断面積が小さくなる必要がある。このことからも、低光度における降着流の収束が示唆された。以上の解析から、LMXBのハード状態におけるL<0.001LeddからL~0.1Leddという3桁以上もの光度範囲を包括的に説明できる描像を打ち立てることに成功した。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

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公開日: 2016-06-01  

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