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2013 年度 実績報告書

心臓予定領域の細胞系譜解析によるバイオペースメーカー創出へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 12J08457
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

淺井 理恵子  東京女子医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)

キーワード心臓発生 / 心臓刺激伝導系 / 細胞系譜 / エンドセリン
研究概要

バイオペースメーカー作製のための分子基盤の確立には、幹細胞のペースメーカーへの分化誘導実験だけではなく、刺激伝導系形成の発生学的アプローチによって得られる研究結果が必要不可欠であると考える。しかし、マウスをはじめとした哺乳類における心臓発生過程での刺激伝導系形成の分子機序については、未だ明かではない部分が多い。これまでの研究結果から、心流入路に発生するEdnra陽性細胞群と刺激伝導系形成との関連に着目し、主に以下の研究を行った。
1)心流入路Ednra陽性細胞群の細胞系譜解析―Ednra-CreERT2マウス
2)Mouse-Chickキメラによるin vivo刺激伝導系再構築の試み
3)心流入路Ednra陽性細胞群の刺激伝導系分化誘導培養系の試み
心流入路Ednra陽性細胞群の系譜解析を行うため、Ednra-CreERT2 ; R26Rマウス胎生7.25日および8.25日(E7.25, E8.25)において、タモキシフェンを母胎に投与した結果、β-galで標識されたEdnra陽性細胞群は、左心室・両心房における作業心筋だけではなく、洞房結節をはじめとした刺激伝導系に寄与することが確認された。さらに、Ednra-CreERT2 ; R26Rマウス胚E8.25 (E7.25にてタモキシフェン投与)の心流入路をニワトリ胚に移植したmouse-Chickキメラの作製結果から、β-galで標識された心流入路Ednra陽性細胞群はニワトリ胚の心房・心室・房室結節付近に分布する様子が観察された。また、Ednra-CreERT2 ; R26Rマウス胚E8.25 (E7.25にてタモキシフェン投与)の心流入路由来をin vitroで培養したところ、洞房結節マーカーの1つであるTbx3陽性/β-gal陽性のコロニーが生じた。これらの結果から、心流入路Ednra陽性細胞群が刺激伝導系形成において重要な役割をになっていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度樹立したEdnra-CreERT2マウスを用いた、細胞系譜解析・マウス-ニワトリ胚キメラ作製・in vitroでの解析を通じ、"心流入路Ednra陽性細胞群は刺激伝導系形成に寄与する"という作業仮説を裏付けることができたため、②の評価をした。

今後の研究の推進方策

来年度は、主に以下の2点に焦点を当て、研究を推進する予定である。
1) Mouse-chickキメラ作製における心流入路Ednra陽性細胞群の寄与
洞房結節に寄与しTbx3やHCN4などの刺激伝導系メーカーを発現するペースメーカー細胞に分化する可能性について検討する。
2) in vitro培養系における心流入路Ednra陽性細胞群のペースメーカー細胞分化誘導
効率よくペースメーカー細胞を分化させるシグナルの探索と、パッチクランプ・移植等の方法を用いて、培養した心流入路Ednra陽性細胞の性質を調べる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Endothelin regulates neural crest deployment and fate to form great vessels through Dlx5/Dlx6-independent mechanisms.2014

    • 著者名/発表者名
      Kim, KS, Arima Y, Kitazawa T, Nishiyama K, Asai R, Uchijima Y, Sato T, Levi G, Kitanaka S, Igarashi T, Kurihara Y, Kurihara H.
    • 雑誌名

      Mechanism of Development

      巻: 130 ページ: 553-66

    • DOI

      10.1016/j.mod.2013.07.005.

    • 査読あり
  • [学会発表] Endothelin receptor type A expressing cell population in the inflow tract contributes to chamber formation2013

    • 著者名/発表者名
      Asai R., Arima Y., Seya D., Kim KS., Kawamura Y., Kurihara Y., Miyagawa-Tomita S., Kurihara H.
    • 学会等名
      The 7th TAKAO International Symposium
    • 発表場所
      東京、代々木
    • 年月日
      2013-07-14
  • [学会発表] Endothelin receptor type A expressing cell population in the inflow tract contributes to chamber formation2013

    • 著者名/発表者名
      Asai R., Arima Y., Seya D., Kim KS., Kawamura Y., Kurihara Y., Miyagawa-Tomita S., Kurihara H.
    • 学会等名
      Weinstein Cardiovascular Conference 2013
    • 発表場所
      USA, Tucson, Arizona
    • 年月日
      2013-05-17

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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