研究課題/領域番号 |
12J08808
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
内田 紀之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | ポリグアニジン / デンドリマー / 分子糊 / 光反応 |
研究概要 |
本研究は非共有結合ネットワークによって形成されるハイドロゲル(仮留め型アクアマテリアル)に光を照射して。ネットワークを共有結合型(本留め型アクアマテリアル)に変換し、構成成分が水でありながら「強靭でプラスチックの代替として利用できる究極の環境低負荷アクアマテリアル」を開拓することを目的としている。そのコンセプトを実現するにあたっては高分子ネットワークを仮留めおよび本留めするための特殊な接着インターフェイスが必要であり、本年度における実施計画においてはその接着インターフェイスの開発を計画していた。本年度の研究活動において目標とする接着インターフェイスの作製に成功し、タンパク質に対してその接着インターフェイスの機能を実演した。その結果、作製した分子がタンパク質に対して仮留めおよび本留めすることが可能であり、その機能を利用することでタンパク質の機能を光制御可能であることを見いだした。また、その成果を化学の分野において最高峰の雑誌であるJournal of the American Chemical Societyに投稿することができた。今年度の研究においては測定上の都合からタンパク質を対象として実験を行ったが、今回開発したこの光反応性分子糊は負電荷を有している表面であれば、タンパク質以外にも応用可能な分子設計となっており、次年度以降は負電荷を帯びた高分子ネットワークに対して応用することで、研究企画にある光架橋性仮留めネットワークを経由する共有結合型アクアマテリアルの実現が可能になると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度の研究で目標としていた新規接着インターフェイスの開発に成功し、その結果を雑誌に投稿することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究を進める上で必要不可欠である接着インターフェイスの開発に今年度の予定通り成功したため、次年度も当初の計画通りに進めていく予定である。また、今年度の研究活動の中で、あるタンパク質に作製した新規接着インターフェイス加えることで興味深いナノ材料を創成することに偶然成功した。そのため、この発見をさらに深めて調べることも平行して行う予定である。
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