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2013 年度 実績報告書

保型表現に伴うL関数の特殊値とSelmer群の関係についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J08820
研究機関東京大学

研究代表者

平野 雄一  東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードL関数の特殊値 / p進L関数 / Selmer群 / 岩澤理論 / 保型形式 / Eisenstein級数 / 合同加群 / p進コホモロジー
研究概要

今年度は、昨年度に引き続き、総実代数体F上のHilbert保型形式に伴うp進Galois表現が剰余可約な場合の2次元岩澤理論について考察をした。Fが有理数体Qの場合には、Vatsal氏のL関数の特殊値に関する結果及びGreenberg氏とVatsal氏による2次元剰余可約表現の岩澤主予想を解決した結果を一般化し、論文に纏め、投稿した。また、昨年度に得た結果を、より一般的な形で再考し、Vatsal氏のL関数の特殊値に関する結果を一般化し、論文に纏め、投稿した。
後者の主結果は、あるcohomologyのtorsion-freeに関する仮定(例えば、Fが実2次体)のもとで、カスプ形式とは限らない保型形式におけるMellin変換公式をcohomologyの言葉で解釈することにより、次の2つの結果から従う :
(1) Hilbert Eisenstein級数に伴うcohomology classのintegrality及びそのmod p non-vanishing ;
(2) Hilbert保型形式の間の合同式からそれらに伴うcohomology classの間の合同式を導くこと。
(1)の結果は、F=Qの場合のStevens氏の結果の一般化である。本結果の証明の手法は、保型形式のもつ解析的性質だけでなく、数論的性質(p進保型形式に関するAndreatta氏とGoren氏の結果)を用いたもので、Stevens氏の手法と大きく異なる。この手法の一部はSkinner氏及びBerger氏のアイデアに基づく。彼らが扱うcohomologyの次数は1だが、本研究では拡大次数[F : Q]>1である。そのため、扱うcohomologyのtorsionのコントロールはより難しくなる。本結果は彼らの結果よりさらに強く、Eisenstein級数に伴うcohomology classのintegrality及びそのmodpnon-vanishingを示している。
(2)の結果は、F=Qの場合のVatsal氏の結果の一般化である。本結果の証明の手法は、Harder氏によって考案されたEisenstein cohomology理論を精密に調べた上で整p進Hodge理論を用いたものである。その手法は、Vatsal氏によるp進cohomologyにおける重複度1定理を用いた手法と異なる。この重複度1定理は、一般的に知られておらず、特に剰余可約表現の場合には解明がより難しくなる。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] Congruences of Hilbert modular forms over real quadratic fields and the special values of L-functions2014

    • 著者名/発表者名
      平野 雄一
    • 学会等名
      Number Theory Seminar
    • 発表場所
      ブリティッシュコロンビア大学(カナダ・バンクーバー)
    • 年月日
      2014-03-27
    • 招待講演
  • [学会発表] Congruences of Hilbert modular forms over real quadratic fields and the special values of L-functions2013

    • 著者名/発表者名
      平野 雄一
    • 学会等名
      代数的整数論とその周辺
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所(京都府京都市左京区)
    • 年月日
      20131209-13
    • 招待講演

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公開日: 2015-07-15  

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