シクロペンタジエノンイリジウムクロリド錯体を種々合成し、続く理元反応によりヒドロキシシクロペンタジエニル配位子を有するイリジウム錯体の合成を検討した。結果トリフェニルボスフィン、ジターシャリーブチルメチルポスフィンを有するヒドロキシシクロペンタジエニルイリジウムジヒドリド錯体2種類を合成し、各種スペクトル、X-線構造解析により構造を明らかにした。 ヒドロキシシクロペンタジエニル配位子を有するイリジウム錯体を用いることで、現在まで達成されていなかった『官能基に隣接する炭素炭素単結合の水素受容体を用いない直接的脱水素化』を達成した。現在までに報告されているPCPピンサー型イリジウム錯体やCp*イリジウム錯体、さらには配位子上の水酸基をケイ素保護した錯体との比較により、配位子の協働作用が反応に関与していることを確認した。また、DFTを用いた理論計算により、反応機構の推定も行った。
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