研究課題
昨年度より引き続き、本年度9月末までカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)に客員学生として滞在し共同研究を行った。まず、昨年度に行った、グラフェンと六方晶窒化ホウ素から成る有限層薄膜系について全エネルギーや電子特性の層数依存性に関する共同研究に関する成果を投稿し、その論文がPhysical Review Bで出版された。また、今年度新たに行った研究として、グラフェン・窒化ホウ素複合系に関連する物質である、蜂の巣構造を持つホウ素単原子層、炭素・ホウ素単原子層との積層構造の間にリチウムをインターカレートした新物質をデザインした。その物性を理論的に予測したところ、この新物質は比較的高い超伝導転移温度(16.8K)を示しうる、興味深い物質であることが明らかになった。さらに、上記の単原子層物質同様に興味深い研究対象である、金属表面上の単分子層について、UCバークレーの実験グループとの共同研究を行った。赤外吸収スペクトルを間接的に測定する新しい実験手法(IRSTM法)を用いて、金(111)面上のアダマンタン分子層の赤外吸収スペクトルを調べた結果、気体相あるいは固体相のアダマンタンとは異なる吸収スペクトルが得られた。このスペクトルの差異が分子間、分子と金属間の相互作用によって生じることを理論的手法によって解明した。上に述べた2つの研究結果については、PhysicalReview Bで論文が出版されている。
(抄録なし)
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Physical Review B
巻: 89 ページ: 115424-1-6
10.1103/PhysRevB.89.115424
巻: 89 ページ: 045136-1-6
10.1103/PhysRevB.89.045136
巻: 88 ページ: 235404-1-9
10.1103/PhysRevB.88.235407