研究課題
ヒトグリオーマ組織では正常脳組織には発現していないガングリオシドGD3とGD2が高発現する。昨年度に研究代表者はRCAS/tv-aシステムを用いたグリオーマモデルマウス由来初代培養アストロサイトを用いて、ガングリオシドGD3の機能解析を行った。GD3がplatelet-derived growth factor receptor alpha (PDGFR alpha)と協調し、Yes kinaseの過剰なリン酸化を引き起こし、グリオーマ細胞の浸潤能を亢進することを明らかにした。本年度はグリオーマにおけるGD3の機能を個体レベルで解析するため、GD3合成酵素遺伝子欠損グリオーマモデルマウス(GD3S-KOマウス)を作製し、グリオーマの発生・進展をGD3合成酵素遺伝子野生型グリオーマモデルマウス(GD3S-WTマウス)と比較した。Platelet-derived growth facotor B (PDGFB) を遺伝子導入した2週間後において、GD3S-KOマウスではGD3S-WTマウスに比べ、腫瘍のサイズの縮小と悪性度の低下、また腫瘍における Src family kinase のリン酸下レベルの低下が観察された。さらにGD3S-KOマウスではGD3S-WTマウスに比べ、寿命の延長が観察された。これらの結果はグリオーマにおけるGD3の発現が Src family kinase を活性化し、腫瘍の悪性度を増強することを示唆していた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)
Arch Biochem Biophys
巻: 571 ページ: 58-65
10.1016/j.abb.2015.02.007.
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 459 ページ: 189-195
10.1016/j.bbrc.2015.01.143.
Adv Neurobiol.
巻: 9 ページ: 307-320
10.1007/978-1-4939-1154-7_14.