研究課題
今年度は、昨年度に引き続き、筋強直性ジストロフィーにおいて筋強直症状の原因となるCLCN1遺伝子の選択的スプライシング異常を、アンチセンスオリゴによるエクソンスキッピングにより改善する治療法の開発を行った。昨年度に確立したアンチセンスオリゴのデリバリー法、および、モデルマウスの筋強直症状を計測できる筋電図測定系を用いて、アンチセンスオリゴの投与による筋強直性ジストロフィーの治療法の効果を検証し、新たなアンチセンス治療法を確立することができた。また、マウスで確立した治療法をヒトに応用するため、ヒトの遺伝子ホモログに対してアンチセンスオリゴを設計し、治療効果の見込まれるオリゴ配列を培養細胞モデル系で同定することができた。一方で、より根治的な治療法として、筋強直性ジストロフィーの原因となる伸長CUGリピートRNAを無毒化するアンチセンスオリゴ配列を検討した。その結果、モデルマウスにおいて異常となっていた複数の選択的スプライシング異常を全身の複数の骨格筋において改善することが可能となった。筋強直性ジストロフィーは、未だに効果的な治療法が確立されておらず、これらの成果は治療法の開発において重要な知見をもたらすものである。また、MBNL1タンパク質がmRNAの3'UTRに結合することで、遺伝子発現にどのような影響を及ぼすのかをルシフェラーゼアッセイを用いて観察を行った。これについては、現在、その影響を検証中である。
(抄録なし)
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Scientific Reports
巻: Vol.3 ページ: 2242
10.1038/srep02242
Rinsho Shinkeigaku
巻: Vol.53 ページ: 1109-1111