研究課題/領域番号 |
12J09062
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宇賀神 知紀 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特別研究員(PD)
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キーワード | AdS/CFT |
研究概要 |
higher spinブラックホールはhigher spin理論におけるブラックホール解である。特に3次元higher spin理論はKrausらによって詳しく調べられているが、そのエントロピーを直接計算する公式は知られていない。このエントロピー公式を導出することが本研究の目的である。 そこで今年度はこの問題を解決するために、錐的特異点法を用いて、3次元Topologically massive gravityにおけるホログラフィックエンタングルメントエントロピーを計算する公式を導出した。この公式を回転するブラックホールにあてはめると、2次元共形場理論から期待される結果が得られた。この錐的特異点法は、higher spin理論にも応用できることが期待される為、この成果は目標到達の第一歩とみなすことができる。 境界がある2次元多様体上の共形場理論には、g関数と呼ばれる、分配関数(を紫外カットオフの関数とみなした時の)の定数部分が繰り込み群の流れで単調減少することが知られている(g定理)。我々はこの定理を一般化した。特に奇数次元では、分配関数に対数発散する項があることを発見した。さらにその係数が繰り込み群の流れに沿って単調に減少することを予想した。これは2次元その非自明なチェックとして系に微小なマージナル変形を加えた場合に、この予想が成り立っていることを確かめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年2月に海外研究者との研究打合せを行う予定が11月にずれ込んだが、当初計画していた、錐的特異点法を用いて、3次元 Topologically massive gravity におけるホログラフィックエンタングルメントエントロピーを計算する公式を導出した。 さらに、この公式を解析、熱学第一法則との比較をした。
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今後の研究の推進方策 |
3次元 Topologically massive gravity におけるホログラフィックエンタングルメントエントロピー公式の導出を達成したため、higher spin black holeの動的な性質に集中して研究を行う。そして、論文の作成および学会での発表を目指す。
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