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2014 年度 実績報告書

陰圧下において、植物の空洞化した道管に水が再充填されるメカニズムを解明する

研究課題

研究課題/領域番号 12J09124
研究機関東京大学

研究代表者

大條 弘貴  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード道管の再充填 / エンボリズム
研究実績の概要

水ストレス下にある植物の道管内の液には高い陰圧がかかる.このとき,木部にある気体が道管表面にある壁孔を通して内部に引き込まれ,その気泡が道管内腔を満たすこと(キャビテーション)で水の輸送が妨げられる.一方で,灌水による水ストレスの緩和に伴い,通水性が回復することが多くの植物で確認されてきた.この通水性の回復は,木本植物を用いた研究から,道管周囲の柔細胞から道管内に浸透的に水を入れ込み,道管を再充填させる可能性が示唆されている.また,木部内のデンプンの分解とショ糖濃度の上昇がみられ,浸透物質としての糖の関与が考えられている.しかし近年,木部に高い陰圧がかかった状態で通水性を測定するための試料を作製すると,水切りの際の切り口から道管内に気泡が侵入し,通水性の低下を過大評価してしまう可能性が示唆されている(cutting artifact; Wheeler et al. 2013).このため,観察されてきた通水性の回復現象の多くは空洞化した道管に水が再充填された結果ではなく,cutting artifactによるものではないかと疑問視されている.
平成26年度はひまわりの葉柄を用い,このようなartifactがない状況で水ストレスによって生じたキャビテーションが灌水時に解消されるのか調べた.またそのとき,浸透物質としての関与が示唆されている糖の量の変化を調べた.結果,ヒマワリの葉柄において,灌水による通水性の回復,つまり道管の再充填現象が確認された.一方で,通水性の回復に伴った葉柄内のグルコース,ショ糖,デンプンの濃度に変化はみられなかった.葉柄内の道管の再充填は,篩部を通した葉身からの糖輸送に依存している可能性がある.

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ヒマワリの葉における水輸送能力の維持機構-道管でのキャビテーションの発生と水の再充填-2015

    • 著者名/発表者名
      大條 弘貴
    • 学会等名
      日本森林学会
    • 発表場所
      北海道大学 札幌キャンパス(北海道)
    • 年月日
      2015-03-28
  • [学会発表] 道管の形態からみえてくる道管の内腔部と壁孔部の通水抵抗のバランス2015

    • 著者名/発表者名
      大條 弘貴
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 発表場所
      鹿児島大学 郡元キャンパス(鹿児島県)
    • 年月日
      2015-03-21

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公開日: 2016-06-01  

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