研究概要 |
ヘドニック法は市場価格関数(ヘドニック価格関数)を推定することから限界的な支払い意思額を推定できるため環境評価などの分野で広く用いられているが、価格関数の関数系に非現実的な強い仮定ををおくと推定結果の信頼性が低くなることも少なくない。従って、価格曲線の推定の際に、置かれている関数形の制約を緩和すべく推定方法の開発を進めている。特に回帰式において、下式のように左辺に未知の単調変換が存在する場合についてである。 F(y)=x'β(ω)+z'γ+ε, これと似たモデルを推定する方法としてShin(2010)のLocal Maximum Rank Correlation Estimatorが提案されているが、変動係数に固定係数であるという制約をかけることができない。そのため真のモデルが固定係数を含んでいる場合には推定の制度が下がる可能性がある。従って私はSieve法によるセミパラメトリック近似とHan(1987)のMaximum Rank Correlation Estimatorを組み合わせたSieve Maximum Rank Correlation Estimatorを開発した。Shin(2010)の推定方法では、F(y)=x'β(ω)+ε,のようにしか推定できなかったが、上式のような成約付き推定も可能となる。この推定量について数値実験及び漸近的性質の考察をおこない論文にまとめ、Asian Meeting of Econometric Society(2012 Delhi)及び関西計量経済学会において発表し参加者から、理論についての重要な提言得た。現在はそれに従って論文を改訂している。
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