研究課題
本年度ではナノ多結晶構造におけるフォノンの実効的な平均自由行程を数値計算により求め,またそれにより熱伝導率への影響を考察した.ナノ構造におけるフォノンの実効的な平均自由行程を得るためには,ボルツマン輸送方程式とランダウアーの透過式から,ナノ構造へのフォノンの透過確率を求める必要がある.そこでレイトレーシング法を用いたフォノンの構造への透過シミュレーションを用い,平均自由行程の計算を行った.この方法の妥当性は理論解が明らかのあるナノワイヤにおいて確認をした.また,単純立方構造をした多結晶体,およびボロノイ図を用いたより複雑な形状をした多結晶体でシミュレーションを行った.これにより,粒径分布の広がりに伴って多結晶体中のフォノンの実効的な平均自由行程は長くなっていくことを定量的に示した.また,それらの平均自由行程の差が熱伝導率にどの程度反映されるか室温のシリコンを例に計算を行った.その結果,顕著な差は現れず,このことから熱伝導率の見積もりの際に単純立方構造による近似が有効であるという示唆を得た.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)
Nano Energy
巻: 未定 ページ: 未定
10.1016/j.nanoen.2014.11.029
粉体および粉末冶金
巻: 13 ページ: 601-608
10.1016/j.nanoen.2015.03.038
Applied Physics Letters
Applied Physics Express
巻: 7 ページ: 121801
10.7567/APEX.7.121801
http://www.thml.t.u-tokyo.ac.jp/thori.html