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2012 年度 実績報告書

交代制勤務者における概日リズムの維持に有効な栄養教育の検討

研究課題

研究課題/領域番号 12J09224
研究機関東京農業大学

研究代表者

吉崎 貴大  東京農業大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード時間栄養学 / 血中脂質 / 心拍変動 / 概日リズム / 朝食欠食
研究概要

【目的】本研究は食事時刻の違いが、概日リズムの位相さらには血液生化学指標に及ぼす影響を検討した。【研究計画】朝食欠食習慣を持つ健康な男性14名(21.4±0.5歳)とし、食事時刻を前進させる前進群(8:00,13:00,18:00;n=8)とそのままの生活を維持させる非前進群(13:00,18:00,23:00;n=6)による並行比較試験を行った。介入期間は2週間とし、1日3回の規定食を提供した。なお、介入中は規定食以外の飲食を禁止し、運動、昼寝の制限を指示した。さらに睡眠覚醒リズムは起床6:00、就寝24:00を維持させた。評価指標は早朝空腹時のグルコース、インスリンおよび遊離脂肪酸等の血液生化学指標に加え、24時間にわたる心拍変動から算出した心臓自律神経活動とした。解析ではダブルコサイナー法を用い、心拍変動指標における概日リズムの位相を評価した。統計解析では、介入前後の変化量を、前進群と非前進群との間で比較した。【結果】中性脂肪、総コレステロールおよびLDHコレステロールの介入前後の変化では、前進群が非前進群に比べて有意に低下した(p<0.05)。一方、心拍変動指標の位相は、前進群が非前進群に比べて0.9-3.2時間ほど低下し(p<0.05)、概日リズムの位相が前進した。それゆえ、食事摂取のタイミングを変化させることは、概日リズムの位相変化、さらには血中脂質の改善につながる可能性が明らかになった。【意義・重要性】近年、給餌制限が時計遺伝子や自発運動の位相に影響を及ぼすことが報告されている。しかしながら、人を対象とした調査・実験において、食事摂取のタイミングと生体リズムとの関連を検討した報告は十分でない。それゆえ、本研究で得られた知見は、朝食摂取による一次予防策を提案する際に、貴重な基礎資料となることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

得られた研究成果は国内学会および国際学会にて報告した。さらに、学術論文として海外誌に投稿する準備を進めている。

今後の研究の推進方策

今回、実験的な検証によって得られた知見を踏まえ、体内リズムの乱れやすい交代制勤務者の実生活へ応用し、生活習慣病の一次予防策となるか否かを検証していく必要がある。しかしながら、交代制勤務者への介入を遂行するにあたり、対象となる研究フィールド、さらには調査協力者との調整が課題となる。それゆえ、これまでに蓄積してきた交代制勤務者における断面調査のデータを解析し、介入実験を実施するための基礎資料を作成する必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Lower energy intake at breakfast may be correlated to phase delay in heart rate variability indices observed in rotating shift workers2012

    • 著者名/発表者名
      吉崎貴大, 他8名
    • 学会等名
      16th International Congress of Dietetics
    • 発表場所
      シドニー
    • 年月日
      20120900
  • [学会発表] 遅い食事時刻が24時間周期における心臓自律神経活動の位相に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      吉崎貴大, 他6名
    • 学会等名
      第59回日本栄養改善学会学術総会
    • 発表場所
      愛知
    • 年月日
      20120900

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公開日: 2014-07-16  

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