研究課題
本研究では、以下の二点を主な目的としている。1. 単分子接合特有の物性の探求2. 単分子接合の物性の分光法による特徴付け昨年度の研究成果より非共有電子対を持つπ共役系を含んだ分子接合が特異な物性を発現することが示唆された。平成25年度では単分子接合特有の物性探索として、銅一窒素系に着目して研究を開始した。極低温、窒素雰囲気下においてMechanically controllable break junction法により銅ナノ接合の物性の評価を行った。結果、単体では単原子鎖が形成されにくい銅原子において、銅原子と窒素分子と複合系を作ることによって、銅単原子鎖を作製することに成功した。次に単分子接合に固有な現象の開拓の一環として、ナノギャップ間におけるプラズモンによる光増強効果に着目して研究を展開した。モデル系として金ナノ粒子を基板上に作製する際に形成されるナノギャップを利用し、二次元系においてナノギャップで引き起こされる光学反応の探索を行った。結果、エポキシ樹脂の光重合反応を観測することに成功した。現在、金ナノ粒子を作製し、気体分子光開裂反応やハロゲン化アルキルの光還元反応を試みている。分光法に関しては本研究では新たな手法として単分子接合のノイズ計測の確立を目指している。昨年度までの研究により単分子接合の機械的な安定性が重要であることが示唆されたため、本年度は安定な単分子接合が作製することができる微細加工電極で電気伝導測定ができるように、計測システムの作製を行なった。現在、金単原子接合の作製に成功し、分光計測に向けて進展中である。
(抄録なし)
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Physical Chemistry Chemical Physics
巻: 16 ページ: 6273-6282
10.1039/C4CP00199K
巻: (印刷中)
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Fullerenes, Nanotubes and Carbon Nanostructures
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